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【鬱】村上春樹的司法試験4【氏】

1 :氏名黙秘:03/10/16 17:13 ID:???
僕は真こつに電話をかけ、択一にどうしても合格したいんだ。
話すことがいっぱいある。話さなくちゃいけないことがいっぱいある。
世界中に択一以外に求めるものは何もない。択一に通って論文を受けたい。
何もかもを択一から最初からはじめたい、と言った。
マコツは長い間電話の向こうで黙っていた。
まるで世界中の細かい雨が世界中の芝生に振っているようなそんな沈黙が続いた。
僕はその間ガラス窓にずっと額を押し付けて目を閉じていた。
それからやがて魔こつが口を開いた。『君、今どこにいるんだ?』と彼は静かな声で言った。
僕は今どこにいるのだ?
僕は受話器を持ったまま顔を上げ、電話ボックスの周りをぐるりと見まわしてみた。
僕は今どこにいるのだ?でもそこがどこなのか僕にはわからなかった。見当もつかなかった。
いったいここはどこなんだ?僕の目に映るのはいずこへともなく歩きすぎていく無数の人々の姿だけだった。
僕はどこでもない場所のまん中から魔こつを呼びつづけていた。

2 :氏名黙秘:03/10/16 17:21 ID:???
スレ立て依頼所であれだけスルーされてたのに・・・
ついに立ったか。



3 :氏名黙秘:03/10/16 17:35 ID:???
春樹スレは春のけだるい暖かさの中、択一を前に現実逃避するスレなんだがな。
まあ、いいか・・・。

4 :氏名黙秘:03/10/16 17:56 ID:???
   /:::::::::::::::::::/        \::::::::::::::::::::
  /::::::::::::::::::/    ,,,,-―''`\::::::::::::::::::
  |:::::::::::::::::/,,,,,,  ''    _ ヽ:::::::::::::::::
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  |:::::::::::::::/ ,-、-、 l   ヽ         |:::::::::::::::     てるみがあっさり4ゲットよ〜w
.  |::::::::::::::| `´   |           |::::::::::::::::
  ヽ,-―_|    |  __,- )        |:::::::::::_/
  // ̄ヽ    /⌒ リ    \    |:::::::/ ̄\ >>2紅イモチップスでも食ってろデブw
 / /:::糸工::\    _ _   )   /::::::/   /   >>3紅イモチップスでも食ってろデブw
 >'つ:::::::イ::::::::ヽ ヽ/,ー―-ヽ    /::::/ /   >>5紅イモチップスでも食ってろデブw
( < \:::モ::/~~\(::::::::::_/  / ̄ /   >>6紅イモチップスでも食ってろデブw


5 :氏名黙秘:03/10/17 15:00 ID:???
いきなり沈んでるね

6 :氏名黙秘:03/10/18 23:28 ID:WxPOu3wi
>>3
後期答練前に逃避してはいけないかな・・・

7 :氏名黙秘:03/10/20 12:37 ID:???
     ☆   ★   ☆
 藤木英雄先生の著書「刑法講義総論」(弘文堂)、
 出版社は倒産していませんが、著者逝去後多年を経て
 事実上入手不可能になってしまいました。

 この本をぜひ復刊してもらいたいと思っております。
 「復刊ドットコム」というHPで、復刊希望の投票が集まると、
復刊が実現される可能性があります。

 http://www.fukkan.com/vote.php3?no=11123

 心ある方、ぜひともご投票にご協力お願い致します。
     ★   ☆   ★


8 :氏名黙秘:03/10/20 23:53 ID:CBMfV60a
    ☆   ★   ☆
 藤木英雄先生の著書「刑法講義総論」(弘文堂)、
 出版社は倒産していませんが、著者逝去後多年を経て
 事実上入手不可能になってしまいました。

 この本をぜひ復刊してもらいたいと思っております。
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復刊が実現される可能性があります。

 http://www.fukkan.com/vote.php3?no=11123

 心ある方、ぜひともご投票にご協力お願い致します。
     ★   ☆   ★


9 :氏名黙秘:03/10/21 17:07 ID:???
「いろんな可能性があった」と五反田君はグラスを顔の上にあげて天井のライトにすかせて見ながら言った。
「なろうと思えば医者にだってなれた。大学の時は教職課程だって取った。一流の会社につとめることもできた。
でも結局こうなった。こういう生活、変なものだ。目の前に過去問がずらっと並んでた。どれを取ることもできた。
どれをとっても上手くいくだろうと思っていた。自信はあった。だからかえって選べなかった」

10 :氏名黙秘:03/10/22 22:40 ID:???
名スレage

11 :氏名黙秘:03/10/23 10:50 ID:m8UoUppX
こんなもの論証じゃない。論証的ファストフードだ。

12 :氏名黙秘:03/10/23 10:55 ID:???
春樹の文章はなんか暗いよねー

13 :緑  ◆m94cODTfVc :03/10/23 11:36 ID:???
 でも時々出題されるからといって、商法総則・商行為のことを重荷としては感じない
で下さい。私は受験生の重荷にだけはなりたくないのです。とはいっても毎年のように
改正されて六法は買い替えなければならないし、教科書代もバカにならないことはよく
わかっています。その上、口述試験もなくなって予想論点もつかみにくくなってしまい
ました。手形法を時間をかけて勉強したのに出題されなかったときのショックもよくわ
かります。もし受験生にとって、商法の何かが迷惑に感じられたとしたら謝ります。
許して下さい。前にも書いたように、私は受験生が思っているよりは不完全な受験科目
なのです。

14 :通りすがり:03/10/23 13:02 ID:???
>>13面白い

15 :氏名黙秘:03/10/25 20:46 ID:eDmws6in
来年も手形でなそうだな。

16 :初投稿:03/10/25 21:25 ID:???

「僕は司法試験を愛してきたし、今でも同じように愛しています。
 しかし、僕と法科大学院のあいだに存在するものは何かしら決定的なものなのです。
 そして僕はその力に抗しがたいものを感じるし、このままどんどん先の方まで押し流されていってしまいそうな気がするのです。
 僕が司法試験に対して感じるのはおそろしく静かで優しくて澄んだ愛情ですが、法科大学院に対して僕はまったく違った種類の感情を感じるのです。
 それは立って歩き、呼吸し、鼓動しているのです。
 そしてそれは僕を揺り動かすのです。
 僕はどうしていいかわからなくてとても混乱しています。
 決して言いわけをするつもりではありませんが、僕は僕なりに誠実に勉強してきたつもりだし、試験委員に対しても嘘はつきませんでした。
 答案構成を傷つけたりしないようにずっと注意してきました。
 それなのにどうしてこんな迷宮のようなところに放りこまれてしまったのか、僕にはさっぱりわけがわからないのです。
 僕はいったいどうすればいいのでしょう?
 僕には魔骨さんしか相談できる相手がいないのです。」

僕は速達切手を貼って、その夜のうちに願書をポストに入れた。


17 :氏名黙秘:03/10/27 12:53 ID:???
sage

18 :氏名黙秘:03/10/28 12:38 ID:???
迷ったり傷ついたりしない人間がどこにいるって言うのよ?

19 :氏名黙秘:03/10/29 00:48 ID:???
「私はあなたが駄目になっていくところを見たくないし、
 これ以上だらだら汗をかきたくないの。
 だから私はもう少しマトモな世界に戻ろうと思うのよ。
 でもね、もし司法浪人さんにここで会わなかったら、
 この塾の前で会わなかったら、たぶんこんな風にはならなかったと思うんだ。
 LECに戻ろうなんてことはまず考えなかったわね。
 きっとあまりマトモじゃないところでまだぐずぐずしていたと思う。
 そういう意味では、まあ司法浪人さんのおかげっていうわけね」
 と彼女は言った。
「司法浪人さんもぜんぜん役に立たないっていうわけじゃないのよ」
 僕はうなずいた。誰かに褒められたのはほんとうに久しぶりだった。
「さよなら、司法浪人さん」
 と彼女は言った。
「どうしてロースクールに行かなかったの? どうしてここから逃げださなかったの?」
「僕には賭ける側を選べないからだよ」
 笠原メイは手を離して、物凄く珍しいものでも見るようにしばらくじっと僕の顔を見ていた。
「さよなら、司法浪人さん。またいつかね」


20 :氏名黙秘:03/10/29 01:05 ID:???
>>19
いい!
もっと頼む

21 :氏名黙秘:03/10/29 01:24 ID:???
                     //   ( __ ヽヾ ヾヽ   \
                    / ,  _」   ,     | 川‖ヽミ  \
    ────丶       / / /ヽ  / ̄ ⌒ヽ、| || | | \∀ヘ \
 /         \      / ////フ ̄ヽ    | || | | | |∀ ヘヽヽ/ ̄ ̄ ̄ ̄ヘ
│            |    / //A (  (   \_/ │ | | | | |く  |          |
│   気 司 そ   │   │/ /川 ヽ-|   ソ      | 川  | フ┌  闘ゃ 100    \
│   概 法 れ   │   | / | 川  ヽ __ >       │ │友 |   る  %     |
│    っ 浪 が   │   |  ‖‖  ヽノ_ェェェェェq丶    │_ |            |
│   て 人      |   ‖ | ‖  /ロト十土州   / │爾│ !! 合     │
│   も の      >  |  | |∧ くレトレ" ̄  ̄      | 川 |      格     |
│   ん        |   |  | |ヾヽ  ̄ ─      |   | ‖ >      る     |
│   さ        」   |   川 V          |   / .A√|      気     |
 \         /     |   ヽ川|          |レヘ∨ ‖ \      で   /
  丶       /      ヽ   ヾヾ|         巛レ/// /| | A       /
    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄            /M         y | /  ‖| レ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


22 :氏名黙秘:03/10/30 00:43 ID:???
アンダーグラウンドみたいに、受験生にインタビューしてくれないだろうか。

23 :司法試験の終りとハードボイルド・ロースクール(上):03/10/30 01:13 ID:???
高い壁に囲まれ、外界との接触がまるでない自習室で、
そこに住むヴェテたちの頭骨から論点ブロックを呼んで暮らす〈僕〉の物語、〔司法試験の終り〕。
佐藤幸二により制度の核に或る選考回路を組み込まれた〈私〉が、
その回路に隠された秘密を巡って活躍する〔ハードボイルド・ロースクール〕。
静寂な勉強世界と波瀾万丈の改革活劇の二つの物語が同時進行して織りなす、
伊藤真の不思議の国。

定価525円(本体500円)

24 :司法試験の終りとハードボイルド・ロースクール(下):03/10/30 01:20 ID:???
〈私〉の意識の核に制度改革を組み込んだ佐藤幸二と再会した〈私〉は、
制度の秘密を聞いて愕然とする。
私の知らない内にロースクールは始まり、
知らない内に司法試験は終わろうとしているのだ。
残された時間はわずか。
〈私〉の行く先は合格か、それとも社会的な死か?
そして又、〔司法試験の終わり〕の自習室から〈僕〉は脱出できるのか?
同時進行する二つの制度を結ぶ、意外な結末。
伊藤真からの手紙が、君に届くか!?

定価500円(本体477円)

25 :氏名黙秘:03/10/30 11:05 ID:Pugjzjz3
>>23-24
最高

26 :氏名黙秘。。。:03/10/31 00:05 ID:???
保全age

27 :氏名黙秘:03/10/31 01:40 ID:???
>>23-24
最高ですね。
今までのパロにない、推薦文?っていうの??のパロ。
目の付け所がすごい。
新作期待でつ。

28 :氏名黙秘。。。:03/11/01 02:00 ID:???
>>23-24
いい!
が誤字が…無粋な事は言うまい

29 :氏名黙秘:03/11/01 02:56 ID:???
推薦文を作ったからには
本編も書けよ。

30 :氏名黙秘:03/11/01 02:57 ID:???
http://school.2ch.net/test/read.cgi/shihou/1065832518/l50
ここ(・∀・)イイ!
すごい勉強になる。
逝ったら書くといいよ。

31 :氏名黙秘:03/11/01 03:01 ID:???
>>23-24
これまでの司法板の中でも最高だと思う。


32 :氏名黙秘:03/11/01 03:06 ID:???
>>23
早く、本編が読みたい。


33 :ハードボイルド・ロースクール:03/11/02 12:40 ID:???
  過去問はなぜ今も輝きつづけるのか
  ベテたちはなぜ解きつづけるのか
  彼らは知らないのだろうか
  司法試験がもう終わってしまったことを
          “THE END OF THE WORLD”

 私の実力はきわめて緩慢な速度で上昇をつづけていた。おそらく実力は上昇していたのだろ
うと私は思う。しかし正確なところはわからない。あまりにも速度が遅いせいで、方向の感覚
というものが消滅してしまったのだ。あるいはそれは下降していたのかもしれないし、あるい
はそれは何もしていなかったのかもしれない。ただ前後の状況を考えあわせてみて、実力は
上昇しているはずだと私が便宜的に決めただけの話である。ただの推測だ。根拠というほどの
ものはひとかけらもない。十二回択一を受けて三回落ち、地球を一周して戻ってこれるだけの
時間を受験勉強に費やしただけかもしれない。それはわからない。

34 :氏名黙秘:03/11/02 12:45 ID:???
                                  ,l. , i l  l」L」_
                             ,. '゙ l..、-l‐一ト!-:|、! l、|!
                           , '' |,ィ´|:.:.:.:|:|:.:.:.:|:.|:|:|`ヽ |!ヽ
                    」⊥!_! |      ,ィ'1:.!:.:l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.|l、゙、
               ,r'゙´ | | | 「'|ヽ  ,.-‐、/:.|:.|:.|:.:.:,/´`ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.|:.||゙; ',
              / /`! | | | | l ヽ/   !:.:.:.:.:_/ ,,,_゚  `丶、:.:.:.:.:.:!:l  ;
            ,.' /   ! 'J  l !   ! '⌒! レ''''´ !.! l  ヽ‐-)ノ `ー、-;/、
          ,  ./  J   r〜'  l.:.゙! (´   、、l」レlT'' ノ  //ヽ」l/', ゙、
          ,' /゙|!:.:.     |  ノ  |.:.l、_,.  u `<ニ゚二>l| ,/。ニ.,)ノ,イ | ゙、
         ,.' /| l l :.:.     ! /  ゙、:./  ::;;_ u ミ| l l l l / ト┬i/ !|  !
         ;' /! ! ! :.   ! | /   lj V  u`/  r‐' u /、l「l/
        ,' ,' l レ゙l     'J !     u  /_,.,ゝ、 __)/゙!
       ,'  !   l   :.    | l⌒!  \,.ど__   ``!「二ニン! |
       , ' l lノ   l |         lJ  し  | | l'ヽ、l 「 ̄_|j,. -'「| | !
       ' ,イl   !|| !   J   ,'      / ''   'J ̄   | l | !   ゙、
    .; ' / |.l!   ll ',    r' ,' lj   /     ,. 'ヽ、    J  ゙、 '
    ' .,'        {    l /;,;,_::: '  U   /  ',. ゙、J     ヽ ',
  ' /ヽ、  u  ,'`  、. l  l    ヽ::::::...,.-'´ ,.  ', ゙、   :.. ゙、 ,
   / ヽ、丶、l    !    ! !  |      l´  ,. '    ', ゙、   :.   ゙、 '
  ./    ヽ、l |丶、|:..   'J  |  J  u / , '          ゙、       ゙、 ',

35 :氏名黙秘:03/11/02 22:56 ID:???
                           十月十一日
 ヴェテラン、この前書いたあの幸福な不合格答案、
あれは少数派の前田のところにいた学説だったんだ。
前田説に恋して、それを隠していたが、ついに打ち明け、
そのために不合格になり、それで気がふれてしまったんだ。
こんなにも味も素っ気もない報告だが、
それでも僕がどんなにはげしくこの学説に感動したか、わかってくれ。
幸二が平然とした調子で話してくれたんだが、
君もまったく同じように平然として読むことだろうがね。


36 :氏名黙秘:03/11/02 23:14 ID:???
                           十一月一二日
やりきれないんだ。
――君、もうだめだ、ぼくは。
これ以上はだめだ。
今日、魔骨の横にいた――座っていた、魔骨は学説を挙げた、
いろいろの論証表、それからありとあらゆる判例を、
ありとあらゆるだよ――全部だ――どう思う、君は。
ぼくは涙が出てきた。
うつむくと魔骨の弁護士バッジが眼にはいった――ぼくは泣いた――すると突然、
おなじみの甘い論証に移った、突然なんだ。
ぼくは慰めの感情に包まれた。
すると同じに昔のこと、ぼくがこの論証をきいたころのこと、
不愉快な陰鬱な受験期のこと、
遂げられなかった数々の希望のことなどが思い出され、
それから――ぼくは自習室の中を往ったり来たりした。
何かこみ上げてきて、息が詰まりそうになる。
――「頼むから」はげしい感情の爆発とともにぼくは魔骨のそばへかけ寄った。
「頼むからやめてください」――魔骨はやめて、ぼくのかおをじっと見つめていた。
――「ヴェテラン」ぼくの魂を突き刺すような微笑を浮かべているんだ、
「ヴェテラン、あなた。とてもお加減がお悪いのね。
 あんなに大好きな論証がおいやだなんて。お帰りになったら。
 お願いです、気を落ち着けてくださいね」――
ぼくはさっと身をそむけて帰ってきた。
そして――幸二よ、あなたは私の悲惨をご覧になっておられる。
だからこの始末をつけてくださるでしょう。


37 :氏名黙秘:03/11/02 23:25 ID:???
                           十二月二十四日
 魔骨の幻がつきまとっていて離れない。
夢にもうつつにもそれが心を占領している。
眼を閉じるとこの眼の中に、内面の視力が集まり合うこの額の中に、あの黒い髪の毛が現れてくる。
ここだよ、うまくいえない。
眼をつむると魔骨の姿が出てくる。
海のように深淵のように、あの髪の毛はぼくの前、
ぼくの中にやすらっていて、ぼくの頭頂部の感覚をみたすのだ。

 実質的合格者だなんぞといわれている、枠無しA落ち人間がなんだ。
合格証書を一番必要とする時、まさにその合格証書の持ち合せがないじゃないか。
それからまた、よろこびに小おどりし、あるいは悲しみに打ち沈んで、そのどちらの場合にも、
豊かな合格者のうちにとけ入ろうとするまさにその瞬間に引きとめられて、
鈍い冷たい自習室に引きもどされるじゃないか。


38 :氏名黙秘:03/11/03 02:44 ID:???
実質的合格者<ワラ

39 :司法試験の終り:03/11/03 11:58 ID:???
 もちろん僕の受験勉強はそのあいだも休むことなくつづけられた。僕は六時に図書館の
扉を押し、彼女と一緒に夕食をとり、それから古い過去問を解いた。
 僕は一晩のあいだに五つか六つの過去問を解き、その合間に一度か二度彼女とセックス
をするようになっていた。僕の頭脳は入りくんだ事案の筋を要領よく辿り、そのイメージ
や論点をより明確に感じとることができるようになっていた。そうして問題を解いている
とむしょうにセックスしたくなるのはなぜなのかその意味はまだ理解できなかったが、僕
の性技が満足のいくものであることは彼女の反応から見てとれた。一度精を放ってしまえ
ば僕のペニスはもう過去問を解いても勃起することはなく、疲れ方もずっと楽になった。

40 :氏名黙秘:03/11/03 21:37 ID:???
age

41 :氏名黙秘:03/11/08 01:43 ID:???
 ”何かが間違っている。”
 でも何が間違っているのか、私にはわからない。
私の頭の中には、濃密な論点ブロックが詰まっている。
それはもう私をどこにも連れて行かない。
手がガクガクブルブルと震えつづけている。
私は二重線を引いて、もう一度書き始めてみようとする。
指が震えて、ペンを答案用紙につけることができない。
もう一度書き始めようとしたとき、ペンが床に落ちる。
私は身を屈めてそれを拾おうとする。
でも拾えない。
机が大きく揺さぶられているからだ。
今は民法ニ問目のいちばん重要な時刻で、
そして男たちは私のまわりで揺れ続けているのだ。
彼らは私の合格を遠のかそうとしているのだ。


42 :氏名黙秘:03/11/08 03:13 ID:???
才能の浪費をしてるな。
ここの住人は。

43 :氏名黙秘:03/11/08 10:43 ID:???
あげ

44 :閑古鳥クロニクル:03/11/08 11:08 ID:???
「ねじまき鳥さん、何か言ってよ」メイは言った。
「カンコー」

45 :氏名黙秘:03/11/09 05:09 ID:???
 よくできた資格試験には、ちゃんと、ベンチで模試を待つバカップルとか、
重そうに荷物を運んでいる赤帽のヴェテとかがいて、
そいつらのほうが合格者や弁護士よりも私の興味をひく。
 マコト・イトウは、LEC鰍フ役員で、
司法試験予備校のどこかにいそうな雰囲気を持っている。
 たぶん、その、身体の一部に彩色をほどこした人間は、
入門講座のパンフレットを持って、受験生を待っているはずだ。
 パンフレットの中身は、小さすぎてよくわからない。
合格率がどのくらいで、何人の人が挫折するのかも、
このパンフレットの中では曖昧にされている。
 私の想像では、彼はこの予備校全体の見回りに行くつもりなのだが、
彼本人は「やればできる」としか答えない。
「この講座、君がつくったんじゃないの」
「そんな気もするくらい、僕の趣味に近いんだ」
「司法浪人になったら、いつ帰ってくるのなわからなくなりそうだね」
「乗せてしまえば後戻りできないからね」
 彼はひとつの巨大な予備校の役員に飽きると、いつの間にか、
別の予備校の入口に立っていて、受験生を待っている。
「また、つくったな」
「いや、認可されなかったから、引越したんだ」
静かに、手紙を渡した。


46 :氏名黙秘:03/11/09 12:37 ID:KUQW3Ow/
>>45
>「乗せてしまえば後戻りできないからね」
>「いや、認可されなかったから、引越したんだ」

age

47 :氏名黙秘:03/11/11 20:03 ID:EhIKnRzt
過去スレのへのリンクは?

48 :氏名黙秘:03/11/12 19:50 ID:6SWLnph6
 そのままずっと掌を下に進めると、やがて平坦なお腹は終り、林が始まった。草原の中に
ぽつりとクリトリスが姿を見せはじめ、やがて僕の愛撫に反応してそれがはっきりと突起し
てきた。
 細い割れ目を辿っていくと、肉襞はだんだん密になり、僕の指はとろりとした液体に覆わ
れるようになった。そして指は割れ目の奥深くに吸い込まれ、指の姿を追いつづけることが
できなくなっていった。それと同時に、彼女の深い吐息が聞こえた。

49 :氏名黙秘:03/11/13 13:05 ID:???
「現行試験で合格できなかったベテさんはどうなるのですか?」
「焼くんだよ。門番がね」と老人はかさかさした大きな手をコーヒー・カップで暖めながら
そう答えた。「これからしばらくは、それが門番の仕事の中心になる。まず落ちたベテの
プライドを剥ぎとり、苦労して集めたタレントの画像データをウィルスを踏ませて破壊し
絶望感を与える。これで彼はその復旧のために一日中パソコンに向かわざるを得ないから、
その隙に彼が愛用していたマコツの論証やシヴァちゃんの論証を積みかさねてなたね油を
かけ、火をつけて焼いてしまうんだ」
「そして論証をなくしたベテさんの空っぽの頭の中に古い夢を入れて、司法試験考古学
博物館の陳列ケースに並べられていくわけですね?」

50 :緑  ◆m94cODTfVc :03/11/13 20:14 ID:???
「どうしてそんなに問題を解くの?」と娘が訊いた。
「たぶん怖いからだな」と私は言った。
「私も怖いけど過去問しか解かないわよ」
「君の怖さと僕の怖さとでは怖さの種類が違うんだ」
「よくわからないわ」と彼女が言った。
「年をとるととりかえしのつかないものの数が増えてくるんだ」と私は言った。
「疲れてくるし?」
「そう」と私は言った。「疲れてくるし」
 彼女は私の方を向いて手をのばし、私のペニスに触った。

51 :氏名黙秘:03/11/15 00:08 ID:???
>>50
僕の方がそれっぽくない?

52 :北方謙三的司法試験:03/11/17 15:09 ID:???
「全軍、出撃」
 30歳を超えていた。それはわかっていた。しかし、受験生なのだ。
 ベテ男が進んでいくと、若手は怯えたように退った。ページをめくった。憲法第一問
を読む。ラインマーカーを振った。なにもかもが、老眼のためすべてぼやけて見えた。

53 :氏名黙秘:03/11/17 21:10 ID:???
法科大学院の時代、ローに移民した受験生が、その刻に十分なじんだころ……。
そんな時代になっても、受験生は司法試験でくりかえしたと同じように、抗争の歴史をくりかえしていた。

なぜなのだろう?

学生のもともとの習性から、ひとつの資格試験を設定すれば、
そこにうまれるエリート意識が、他者を排斥する衝動をもつ、
という説明で納得するのは簡単なことだ。
しかし、学歴を獲得したと自負し、法的技術を行使することを自明の理とした受験生は、
学生としての本性をすてることができないという内的矛盾を解決しないままに、
新司法試験という時代をむかえてしまったことに、不幸の源があったのだろう。

だから、抗争はなくならないのである。

しかし、法科大学院時代の抗争は、歴史のくりかえしではなく、
受験生が、次の受験生に成長するための陣痛であると信じたい。
司法試験からロースクールという異なる環境に出ていかざるをえなくなった受験生は、
次の資格試験には希望をみいだしたいと願っているのだ。
みずからの合格が、確実であると信じられなければ、
今日という勉強は、あまりにも寂しいものだろう。

次にあるべき受験生の姿?

それは、ローそのものを生息の天地とすることを可能にした学生たちであろう。
その学生たちを生みだすためには、どうしようもなく矛盾するものを持った自らを矯正しなければならないのだ。
そのために、自己変質するための抗争をつづけていかなければならないと、
われわれの本性と理性が知っているのだと信じたい。

だから、学生と若手の物語のなかに、ひとつの希望をみようとするのは、
ヴェテたちの無残さをみることではあっても、未来の絶望をみることではない。


54 :氏名黙秘:03/11/18 10:19 ID:???
:

55 :◆kcIlove.mc :03/11/20 21:33 ID:???
>緑ちゃん
久しぶり!
しばらくいなくなっていてごめんなさい。
論文落ちて心の旅に出ていました。
ごめんね・・・・。

56 :氏名黙秘:03/11/20 22:12 ID:???
DAT落ち阻止AGE

57 :氏名黙秘:03/11/20 23:10 ID:???
13と49が好き
正真正銘まだ立ち直れないベテの漏れ
自虐が一番心地よい

58 :氏名黙秘:03/11/20 23:20 ID:???
鼠の今年は、いつもと違った。

去年までは、
年明けからは死に物狂いの苦しい勉強をしても
8月から年内はそれなりに遊べた。

しかし、今年は敵勢だ奇襲だと、
ずっと机に向かうことを余儀なくされている。

ゲンコウだけに賭けられるほど
勝ちいくさはしてないさ。
鼠は寂しく笑った

59 :緑  ◆m94cODTfVc :03/11/21 11:03 ID:???
>>53 力作
>>58 悪くない。

私は、遊んでいます。

60 :氏名黙秘:03/11/24 18:21 ID:???
鬱にも負けず 躁にも負けず
択一にも夏の論文にも負けず
丈夫な身体を持ち
欲はなく決して瞋(いか)らず
いつも静かに笑っている

一日に過去問四問と基本書と少しの判例を読み
あらゆる論点を他説を勘定に入れずに
よく見聞(みき)きし分かり そして忘れず
自習室の蔭(かげ)の
小さな机にいて

東に心の病の若手あれば
行って看病(かんびょう)してやり
西に心配性の母あれば
行って来年は大丈夫と言い
南に社会的に死にそうなヴェテあれば
行って怖(こわ)がらなくてもいいと言い
北に憲法訴訟(けんぽうそしょう)があれば
判例変更は頼むから止めてくれと言い

論文発表のときは涙を流し
択一のときはおろおろ歩き
皆にクソヴェテと呼ばれ
ほめられもせず 苦にはされ
そういうヴェテに 私はなりたい


61 :氏名黙秘:03/11/24 18:38 ID:???
>>60
わるくない。

62 :氏名黙秘:03/11/24 22:09 ID:???
ときをかえせ
かねをかえせ
としをかえせ
しょうらいをかえせ
わたしをかえせ わたしにつながる
しほうしけんをかえせ
ヴェテランの ヴェテランのよのあるかぎり
くずれぬしけんを
しけんをかえせ


63 :a:03/11/24 22:39 ID:???
二〇〇三年十一月、この受験生活はそこから始まる。それが入り口だ。出口があ
ればいいと思う。もしなければ、試験を受ける意味なんて何もない。
              =
 「・・・あなたが基本書の前で孤独な消耗をつづけているあいだに、あるものは
プルーストを読みつづけているかもしれない。またあるものはドライヴ・イン・シ
アターでガールフレンドと「勇気ある追跡」を眺めながらヘビー・ペッティングに
励んでいるかもしれない。そして彼らは時代を洞察する作家となり、あるいは幸せ
な夫婦となるかもしれない。
 しかし、基本書はあなたを何処にも連れて行きはしない。・・・
                =  
 良き論文成績を祈る。」

64 :氏名黙秘:03/11/24 22:55 ID:???
あー。前スレかなんかで俺もよく書いてたなー。
また立ったのね。
ところで前スレ張ってくれると嬉しい。

65 :氏名黙秘:03/11/25 00:32 ID:???
>>45
>「いや、認可されなかったから、引越したんだ」

現実になったな。

66 :太宰治的司法試験:03/11/25 01:11 ID:???
神に問う。司法試験は罪なりや。

67 :太宰治的司法試験:03/11/25 01:13 ID:???
「ママ!僕を叱って下さい!」
「どうゆう具合に?」
「ベテラン!って」
「そう?ベテラン。・・・・・もう、いいでしょう?」
 ママには無類のよさがある。ママを思うと、泣きたくなる。ママへおわびのためにも合格するんだ。


68 :太宰治的司法試験:03/11/25 01:13 ID:???
ベテモ人ノ子。生キテイル。

69 :太宰治的司法試験:03/11/25 01:15 ID:???
そんなら自分は、一生涯こんな試験と戦い、そうして死んで行くということに成るんだな、と思えばおのが身がいじらしくもあった。法務省の掲示板が一時にぽっと霞んだ。泣いたのだ。

70 :太宰治的司法試験:03/11/25 01:17 ID:???
ベテランの兄はこう言った。「論文試験を、くだらないとは思わぬ。おれには、
ただ少しまだるっこいだけである。たった一行の価値判断を言いたいばかりに
四頁の雰囲気をこしらえている」私は言い憎そうに、考え考えしながら答えた。
「ほんとうに、答案は短いほどよい。それだけで、信じさせることができるならば」

71 :太宰治的司法試験:03/11/25 01:18 ID:???
私は合格答案のみを、血まなこで、追いかけました。私は、いま合格答案に
追いつきました。私は追い越しました。そうして、私はまだ走っています。
合格答案は、いま、私の後ろを走っているようです。笑い話にもなりません。

72 :受験生失格:03/11/25 07:18 ID:???
ヴェテですみません。

73 :氏名黙秘:03/11/25 15:29 ID:???
太宰か…、
前にパロのネタにしようと思って、
久しぶりに本棚から取って軽く読んで見たが、
速攻鬱入ったよ…。

結論:受験生は太宰読んじゃダメ


74 :緑  ◆m94cODTfVc :03/11/25 19:11 ID:???
 よく小学校の木造校舎の夢を見る。
 夢の中で僕はそこに含まれている。つまり、ある種の継続的状況として僕はそこに
含まれている。その木造校舎は僕が五年生のときに取り壊され、今は鉄筋コンクリー
ト四階建ての校舎が聳えている。夢の中の木造校舎の季節は決まって冬だ。裏庭の
イチョウの落葉が地面に敷きつめられている。吐く息は白く風は冷たいのだけれども、
イチョウの葉っぱの上を歩いているときの気分はよかった。そこでは誰かが涙を流している。
僕の為に涙を流しているのだ。
 鉄筋コンクリートの新しい校舎は僕に何の感傷も起こさせない。田舎都市の景観を醜悪
なものにした屑のような建物だ。木造校舎に対する喪失感だけがある。校舎そのもの
が僕を含んでいる。僕はその鼓動や温もりをはっきりと感じることができる。僕は、
夢の中では、そのホテルの一部である。
 そういう夢だ。


・・・村上春樹は、冬の寒い夜、ストーブで部屋を暖めて読むのがいちばんだと思いま
せんか?

75 :氏名黙秘:03/11/25 19:14 ID:???
「やれやれ」と僕は力なく言った。「刑訴の充電は終った?」
「あと五分で終るわ」
「急いだ方がいいな」と僕は言った。「もし僕の推察が正しければ、やみくろたちは
マコツに僕たちが辰巳に来たことを通報しているはずだし、そうすると奴らはすぐに
でもここに引き返してくるからね」
 娘は雨合羽と長靴を脱いで、僕の持ってきた「やればできる」ジャケットに着替え
た。


76 :緑  ◆m94cODTfVc :03/11/25 19:21 ID:???
「それは間違っているわよ」と娘は言った。「受験生は誰でも合格者になれる素質
があるの。それをうまく引き出すことができないだけの話。引き出し方のわからない
人間が寄ってたかってそれをつぶしてしまうから、多くの受験生は合格者になれない
のよ。そしてそのまま磨り減ってしまうの」

77 :氏名黙秘:03/11/25 19:26 ID:???
「僕のようにね」
「あなたは違うわ。あなたは何か特別なものがるような気がするの。あなたの場合は
擦り減らす部分が違うから、その中でいろんなものが無傷のまま残っているのよ」
「擦り減らす部分?」
「ええ、そうよ」と娘は言った。「だから今からでも遅くないの。ねえ、これが終った
ら私と一緒に伊藤塾へ行きましょうよ?」

78 :氏名黙秘:03/11/30 23:17 ID:+Z6Eryp2
おそらく我々は70年代に受験生であるべきだったのかもしれない。
僕が早大生で、君が中大生で、二人で、日比谷図書館で勉強したり、新報会の答練を
受けたり、芦辺の講義にもぐったり、あさま山荘事件について語り合ったり、
市ヶ谷の釣り堀で中央線を見ながらビールを飲んだりするんだ。そして、90年代には
「砂糖工事の乱」に巻き込まれて受験生を止め、そして死ぬんだ。こういうのって
素敵だと思わないか?僕だって70年代に受験生だったら、もっと立派な答案を
書けたと思うんだ。伊藤真とまではいかなくても、きっとそこそこの合格答案を書いたよ。
君はどうしていただろうね。君はずっとただの中大生だったかもしれない。
ただの中大生というのも悪くないな。なんとなく70年代的だもんな。
 でもまあ、もう止そう。2000年代に戻ろう。

79 :ロード・オブ・ザ・リングより:03/12/05 13:46 ID:eyoKEKOQ
僕にはできないよ

ええ、ひどすぎます。こんな試験をやってること自体間違いです。
・・・でもこの試験をやってる。
まるでベテランの受験日記の中にでも迷い込んだ気分です。
択一落ちや論文落ちが一杯につまっていて、その結末を知りたいとは思いません。
合格で終わる確信がないから。
こんなひどいことばかり起きた後でどうやって人生を元通りに戻せるんでしょう。
でも夜の後に必ず朝が来るように、どんな受験も永遠に続くことはないのです。
新しい日がやってくるでしょう。太陽は前にも増して明るく輝きます。
それが人の心に残るベテランの日記です。
若手の時読んで理由が分からなくても、今ならなぜ心に残ったのかよくわかります。
ベテランは重荷を捨て引き返す機会があったのに帰らなかった。
信念を持って道を歩き続けたんです。

その信念ってなんだい?

この世には命を懸けて闘うに足る素晴らしい試験があるんです。

80 :氏名黙秘:03/12/05 13:47 ID:???
暇なやしらだな・・・

81 :氏名黙秘:03/12/05 13:56 ID:???
ローには何か、決定的な何かが足りないのです。

82 :氏名黙秘:03/12/05 15:16 ID:???
78いいねー

83 :氏名黙秘:03/12/05 16:59 ID:???
>>78
久しぶりの前向きパロだね。悪くない。

84 :氏名黙秘:03/12/08 03:07 ID:???
age

85 :緑  ◆m94cODTfVc :03/12/08 14:27 ID:???
「ねえ」と僕は言った。「この前も言ったと思うけれど、僕と司法試験のあいだには、
ささやかではあるにせよ何かしら相通じるところがあるような気がする」
「そう?」彼女は無感動な声で言った。そして三十秒くらいそのまま黙っていた。
「たとえば?」と三十秒あとで彼女は言った。
「たとえば――」と僕は言った。でも頭の回転は完全にストップしていた。何も思い
つかなかった。何の言葉も浮かんではこなかった。僕はただふとそんな気がしただけ
のことなのだ。司法試験と僕のあいだにはささやかなものかもしれないにせよ、何か
しら相通じるものがある、というふうに思ったのだ。悲惨な成績通知が教える自分の
実力とかじゃなしに、ただそういう気がしたというだけ。


86 :いるかホテル ◆g8SYOjAGLc :03/12/08 15:48 ID:???
 それで僕は無駄というものは、高度資本主義社会における最大の美徳なのだと自分
に言い聞かせた。受験生が本屋から高い問題集を買ってきて、下手な答案を書いて無
駄に答案用紙を消費することによって、日本の経済がそのぶん余計に回転し、その回
転によって僕の長い受験生活を支える経済的基盤が支えられていくのだ。もし受験生
が無駄というものを一切生み出さなくなったら、大恐慌が起こって日本の経済は無茶
苦茶になってしまうだろう。無駄、そうその存在じたいが無駄な受験生は矛盾を引き
起こす燃料であり、受験生が経済を活性化し、活性化がまた無駄な受験生を作りだす
のだ、と。


87 :いるかホテル ◆g8SYOjAGLc :03/12/08 15:48 ID:???
 僕はコーヒーを飲みながらぼんやりとそんなことを考えていた。妄想だ。
 でも僕が司法ベテであること――これは真実だった。僕は合格とは結びついていな
い。それが僕の問題なのだ。僕は僕を取り戻しつつある。でも僕は合格と結びついて
いない。
 この前答案を真剣に書いたのはいつのことだったろう?
 ずっと昔だ。いつかの氷河期といつかの氷河期との間。とにかくずっと昔だ。歴史
的過去。ジュラ紀とか、そういう種類の過去だ。そしてみんな消えてしまった。民法
案内もうんこスレも真法会答練も赤い表紙の択一受験講座も。宮下公園に打ち込まれ
たガス弾も。そして高度司法試験社会が訪れたのだ。そういう社会に僕はひとりぼっ
ちで取り残されていた。


88 :いるかホテル ◆g8SYOjAGLc :03/12/08 15:49 ID:???
 僕は勘定を払って外に出た。そして何も考えずに伊藤塾までまっすぐ歩いた。
 伊藤塾の場所を僕ははっきりとは覚えていなかったので、それがすぐにみつかるか
どうかいささか心配だったのだけれど、心配する必要なんて何もなかった。伊藤塾は
すぐにみつかった。それは二十六階建ての巨大なビルディングに変貌を遂げていた。
バウハウス風のモダンな曲線、光り輝く大型ガラスとステンレス・スティール・・・・・・
そんなものを誰が見落すだろう?入り口の大理石の柱にはマコツのレリーフがうめ
こまれ、その下にはこう書かれていた。
「ドラゴン・ホテル」と。


89 :氏名黙秘:03/12/08 16:28 ID:???
>>60
かなり泣けました(´Д⊂グスン

90 :氏名黙秘:03/12/08 16:30 ID:???
>>60
かなり良い出来です。

91 :ゆずぽん:03/12/08 18:07 ID:???
 僕は最初にマコツと顔を合わせたときから、この人について行きたいと思った。も
っと正確に言うなら、僕はマコツについて行かなきゃいけないと思ったのだ。そし
てマコツだって僕から受講料を取りたがっていると本能的に感じた。僕はマコツを前
にして文字通り体がぶるぶると震えた。


92 :   鼠:03/12/08 18:08 ID:???
 新しい受験生が一発合格して予備校を去り、また新しい受験生がもうひとつのドア
からやってくる。僕は慌ててドアを開け、おい、ちょっと待ってくれ、ひとつだけ言
い忘れたことがあるんだ、と叫ぶ。でもそこにはもう誰もいない。ドアを閉める。教
室の中には既にもうひとりの新しい受験生が椅子に腰を下ろし、補強法則について僕
よりも上手な答案を書いている。もし言い忘れたことがあるのなら、と彼は言う、俺
が聞いといてやろう、たぶんあんたより先に研修所へ行くことになるだろうから。
 いやいいんだ、と僕は言う、たいしたことじゃないんだ。風の音だけがあたりを被
う。たいしたことじゃない。また一年が過ぎただけだ。


93 :直子:03/12/08 18:09 ID:???
「うまく書くことができないの」と直子は言った。「ここのところずっとそういうの
がつづいているのよ。答案構成どおり書こうとしても、いつも見当ちがいな理由づけ
しか浮かんでこないの。見当ちがいだったり、あるいは全く逆だったりね。それでそ
れを訂正しようとすると、もっと余計に混乱して見当ちがいになっちゃうし、そうす
ると最初に自分が何を書こうとしていたのかがわからなくなっちゃうの。まるで自分
の体がふたつに分かれていてね、追いかけっこをしているみたいなそんな感じなの。
まん中にすごく太い柱が立っていてね、そこのまわりをぐるぐるとまわりながら追い
かけっこしているのよ。ちゃんとした答案っていうのはいつももう一人の私が抱えて
いて、こっちの私は絶対にそれに追いつけないの」
 直子は顔を上げて僕の目を見つめた。
「そういうのってわかる?」
「多かれ少なかれそういう感じって誰にでもあるものだよ」と僕は言った。「みんな
日頃の勉強の成果を十二分に表現しようとして、でも正確に表現できなくてそれでイ
ライラするんだ」


94 :氏名黙秘:03/12/08 18:09 ID:s6IMksRN
「僕はここから出ない論点を読みとるわけなんだね?」
「それが司法ベテの仕事なの」と彼女は言った。
「読みとったものをどうすればいいんだい?」
「どうもしないのよ。ベテはただそれを読みとるだけでいいの」
「どうもよくわからないな」と僕は言った。「僕がここから出ない論点を読みとると
いうのはわかったよ。しかしそれ以上何もしなくていいというのがよくわからないん
だ。それじゃ勉強の意味が何もないような気がする。勉強には何かしらその目的とい
ったものがあるはずだ。たとえば本当に必要な論点を絞り込むためとかね」
 彼女は首を振った。「その意味がどこにあるのかは私にもうまく説明することはで
きないわ。出ない論点を読みつづけていれば、あなたにもその意味が自然にわかって
くるんじゃないかしら。でもいずれにせよその意味というのはあなたの合格そのもの
にはあまり関係がないのよ」


95 :いるかホテル ◆g8SYOjAGLc :03/12/09 17:51 ID:???
 一言で言えば、僕は成功した受験生だった。
 きちんと資本を投下し、きちんとそれを回収した受験生なのだ。こういう受験生が
どのようにして作られるのか、君たちに教えてあげよう。僕は一度ある予備校のPR
誌の仕事をしたことがあるのだ。成功する受験生を作るにあたって、僕は前もって何
から何まで全部きちんと計算した。コンピューターを使って、二年間の受験生活に要
する全コストを打ち込み、徹底的に計算する。二年間に使用するトイレット・ペーパ
ーの小売価格とその使用量まで試算するのだ。受験中の性欲を処理するためのナンパ
に要する費用とその成功率を細かく分析し、ナンパが成功しやすい通りと時間帯まで
特定したのだ。とにかく何から何まで調べる。そして不合格のリスクをどんどん減ら
していく。僕は長い時間をかけて綿密な計画を練り、プロジェクト・チームを作り、
芦部憲法の一頁から読み始めた。金で解決することなら――そしてその金がいつか戻
ってくるという確信がれば――僕は予備校にいくらでも金を注ぎ込む。司法試験とは、
そういう種類のビッグ・ビジネスなのだ。

96 :いるかホテル ◆g8SYOjAGLc :03/12/09 17:52 ID:???
 そういうビッグ・ビジネスを扱えるのは、神の恩恵として地上に下された天才にの
み許されるものなのだ。何故ならどれだけリスクを削っていっても、そこには計算の
出来ない潜在的リスクが残るし、そういうリスクを回避できるのは、最終的には神の
恩恵としか言いようがないからだ。
 最近の受験生は正直なところ、僕の好みの受験生とは言えなかった。少なくとも、
僕が彼らの親であれば金を出して司法試験なんかを受験させない。トイレット・ペー
パーは無駄に使うし、そもそもうんこに対する畏敬の念を有していない。そう、はっ
きり言わしてもらうと、君たちの合格を妨げているのは、うんこに対する畏敬の念の
欠如なのだ。

97 :   鼠:03/12/09 18:11 ID:???
 マコツにかつらの話を切り出すのは辛かった。何故だかわからないがひどく辛かった。
店に三日続けて通い、三日ともうまく切り出せなかった。話そうと試みるたびに喉がカラ
カラに乾き、それでビールを飲んだ。そしてそのまま飲みつづけ、たまらないほどの無力
感に支配されていった。どんなにあがいてみたところでもう一本も生えやしないんだ、と
思う。

98 :氏名黙秘:03/12/10 11:16 ID:???
 台所でスパゲティーをゆででいるときに、電話がかかってきた。僕はFM放送にあわせて
ロッシーニの「泥棒かささぎ」の序曲を口笛で吹いていた。それはスパゲティーをゆでるには
まずうってつけの音楽だった。
「あたし今度選挙に出るから、応援してほしいの」、唐突に女が言った。
「選挙?・・・悪いけど署名はできても、票集めはできないよ。それで何の選挙?」
「参議院」

99 :氏名黙秘:03/12/10 14:30 ID:???
「君を見ていると、ときどき遠い星を見ているような気がすることがある」と僕は言
った。「それはとても明るく見える。でもその光は受験を始めた頃に送りだされた光
なんだ。それはもう今では存在しない天体の光かもしれないんだ。でも、それはある
ときには、どんなものよりリアルに見える」
 合格君は黙っていた。
「君はそこにいる」と僕は言った。「そこにいるように見える。でも君はそこにいな
いかもしれない。そこにいるのは合格の影のようなものに過ぎないかもしれない。本
当の君はどこか余所にいるのかもしれない。あるいはもうずっと昔に消えてなくなっ
ているのかもしれない。僕にはそれがだんだんわからなくなってくるんだ。僕が手を
伸ばしてたしかめようとしても、いつも君は『F』とか『G』というような評価です
っと体を隠してしまうんだ。ねえ、いつまでこういうのが続くんだろう」

100 :   鼠:03/12/10 14:30 ID:???
 鼠はもう答練に行くのをやめた。過去問を解くのもやめた。基本書を読むことすら
やめた。まるで蝋燭を吹き消したあとに立ちのぼる一筋の白い煙のように、彼の心の
中の何かが闇をしばらくただよいそして消えた。それから暗い沈黙がやってきた。沈
黙。一年一年と不合格を積み重ねたあとでいったい何が残るのか、鼠にもわからない。
誇りを失った元エリート?・・・・・・彼はベッドの上で何度も自分の両手を眺める。恐ら
く誇りなしに人は生きてはいけないだろう。しかし鼠には400本を超えるAVのコレ
クションがある。でもそれだけでは暗すぎる。あまりにも暗すぎる。


101 :かえる:03/12/10 15:20 ID:???
 片桐がアパートの部屋に戻ると、巨大なペニスが待っていた。二個の玉を脚のよう
にして立ち上がった背丈は2メートル以上ある。青筋も立っている。身長1メートル
60センチしかないやせっぽちの片桐は、その堂々とした外観に圧倒されてしまった。
「ぼくのことはちんこくんと呼んで下さい」とちんこは白い泡を吹きながら言った。
 片桐は言葉を失って、ぽかんと口を開けたまま玄関口に突っ立っていた。
「そんなに驚かないでください。べつに男性に危害をくわえたりはしません。中に入
ってドアを閉めて下さい」とちんこくんは言った。


102 :氏名黙秘:03/12/11 03:29 ID:???
質が下がってるな
85ぐらいのだとイイ!!

103 :かえで:03/12/11 18:22 ID:???
 駄目になったロースクールの裏手にはきれいな小川が流れていた。とても綺麗な川
で、魚なんかもいっぱい住んでいる。藻もはえていて、魚たちはそれを食べて暮らし
ている。魚たちはローが駄目になろうがどうしようが関係ないと考えている。そりゃ
そうだ。魚にとってはローだろうが現行だろうが、そんなもの何の関係もないのだ。
法律なんてないし、税金だって納めない。
「そんなの俺たち関係ないもんね」と彼らは考えている。
 僕は小川で足を洗った。小川の水は冷たくて、ちょっと足をつけていると赤くなっ
た。小川からは駄目になったロースクールの五重塔と舎利殿が見えた。舎利殿の前で
は二人の僧侶が般若経を詠んでいた。川辺りを通る人々はみんなその僧侶を見た。そ
してこう言った。
「ほらごらん。あれが駄目になったローの坊主だよ」と。

104 :幸恵:03/12/12 11:29 ID:???
「でもね、聞こえるのよ。合格の足音が。こつ・・・こつ・・・こつ・・・とそれは近づいて
くるの。ゆっくりと、でも確実に。こつ・・・こつ・・・こつ・・・と。法務省を出て、廊下
を歩いて、私の方にやってくるの。怖かったわ。いや、怖いなんて感じちゃう私が変
なのかしら。でも、きゅっと胃がせりあがってきてね、喉のすぐ近くまで来ているの
よ。そして体じゅうから汗が吹き出すの。嫌な臭いのする冷たい汗。おかしいでしょ
う?もうすぐ合格できるかっていうのに・・・。合格すればAVに出て学費稼がなくて
もすむっていうのに・・・」
 彼女は一息ついて、ブラディー・マリーをまた一口すすった。そして指輪をくるく
ると回した。

105 :氏名黙秘:03/12/12 13:42 ID:???
みんなうまいなぁ

106 :緑  ◆m94cODTfVc :03/12/12 17:44 ID:???
 頭が少し混乱している。
 アタマガスコシコンランシテイル。
 僕の思考が過剰な情報の中で軽くこだまする。思考がこだまするのだ。
 僕はもう一度深呼吸して、頭から無意味な情報を放逐する。いつまでもこんなこと
を続けているわけにはいかない。行動に移らなければならない。そうだろう?僕は司
法試験を受けるんだろう?

107 :五反田君:03/12/12 19:46 ID:???
「君はどう?」
「僕がロースクールのことをどう思うかってこと?」と僕は訊いた。
「そう」
「わからない」と僕は正直に言った。「僕は現行試験を続けて欲しかった。でも現行
はもうすぐ終わる。それは起こってしまったことだし、もう既成事実なんだ。そして
僕は時間をかけてその事実に馴れようとしてきたんだ。それに馴れるという以外のこ
とは何も考えないようにしてきた。だからわからない」
「うん」と彼は言った。「ねえ、こういう話は君にとって苦痛かな?」
「そんなことはない」と僕は言った。「これは事実なんだよ。事実を避けるわけには
いかない。だから苦痛というんじゃないね。引力が変化しちゃったような感覚。苦痛
ですらない」

108 :氏名黙秘:03/12/16 13:43 ID:???
 マコツのペニスについて誰かに説明しようとするたびに、僕はいつも絶望的な無力感に
襲われることになる。僕はもともと物事の説明がうまい方ではないけれど、そういうのを
勘定に入れても、なおかつマコツのペニスについて説明するのは特殊な作業であり、至難
の業である。そしてそれを試みるたびに僕は深い深い深い深い絶望感に襲われるのである。
 マコツは僕と同い年で、僕の570倍くらいハンサムである。性格もよい。決して司法
板の中傷に腹を立てたりしない。自慢もしない。ローが不認可になって自分に迷惑がかかっ
たとしても、「仕方ないよ、ま、お互いさまだものね」と彼は言う。
 もちろん女の子にももてる――もてないわけがない。しかしかといって「手あたり次第」
というのはよくない。

109 :謙三:03/12/17 19:34 ID:???
「あまりロースレが好きじゃないの?」
 僕は首を振った。「駄目だね。好きになんかなれない、とても。ロースレなんかに
は何の意味もないよ。締切が近づくと上にあげてみんなに紹介する。ここに行きなさ
い。こういう書類を用意しなさい。でもどうしてわざわざそんなことしなくちゃいけ
ないんだろう?みんな勝手に自分の好きな学校へ行けばいいじゃないか?そうだろ
う?どうして他人に足切り点のことまでいちいち教えてもらわなくちゃならないん
だろう?どうして書類の揃え方まで教えてもらわなくちゃならないんだろう?そし
てね、そういうところで紹介されるローって、下位になるに従って無意味なサービス
がどんどん増えていくんだ。十中八、九はね。需要と供給のバランスが崩れるからだ
よ」
「でも上げるのね?」
「仕事だから」と僕は言った。

110 :氏名黙秘:03/12/18 12:53 ID:???
「李逵は、司法試験に命をかけています。夜も寝ないで問題を解きつづけるのを、俺が
止めていたのです。それがもう止められないほどに溢れてきたということです。俺には
もう止めようがありません。李逵が間違っていると先生は思われますか」
「間違ってなどいるものか。この男の答案はいつも拙劣だ。しかし間違ったことを書いた
ことなど一度もない」
「李逵は、正しい勉強方法をとっているということですね。ただものを知らないだけなの
です」
「ものを知らないことがなんだ。そんなことで、人の価値が決まるものか。私が知る中で、
最も立派な受験生だ」

111 :氏名黙秘:03/12/22 14:56 ID:???
87 :氏名黙秘 :03/05/05 14:15 ID:???
僕が三番目に寝た女の子は、僕のペニスのことを「あなたの身分なき故意ある道具」
と呼んだ。
僕は以前、身分なき故意ある道具についての一行問題を想定して短い答案を
書こうとしたことがある。結局答案は完成しなかったのだけれど、その間じゅう
僕は身分なき故意ある道具について考え続け、おかけで奇妙な性癖にとりつかれる
ことになった。全ての物事を数値に置き換えずにはいられないという癖である。
僕は講義に出るとまず明白にベテランと思われる受講生の数をかぞえ、
択一過去問で「君はそういうけれど、それについては(イ)という批判があるよ。
僕は(ロ)と考えるんだ〜」という形式の問の数を全てかぞえ、暇さえあれば今まで
論文の答案に書いた「思うに」「そもそも」の語の数をかぞえた。
当時の記録によれば、僕は2651問の択一過去問を解き、254回「判例同旨」という語を使い、
31回セミナーの無料ガイダンスに出席したことになる。
その時期、僕は全てを数値に置き換えることによって他人に何かを伝えられるかもしれない、
そして他人に伝える何かがある限り僕は真性身分犯の身分を取得できると真剣に思っていた。
しかし、当然のことながら、僕が択一の答練で合推を超えた数やセミナーA館に貼ってある
真知子のポスターの数やNo.52でさりげなく3を選んでしまった人の数に対して誰一人として
興味など持ちはしない。そして、僕は身分者としての反対動機の形成ができず
あいかわらず正犯の単なる道具にすぎなかった。
そんなわけで、択一不合格を知らされた時、僕はこっそりはがした23枚目の真知子のポスターを
丁寧に折りただんでかばんにしまい込むところだった。

112 :氏名黙秘:03/12/28 18:33 ID:???
「つまり出題者の頭の中には人跡未踏の巨大な過去問の墓場のごときものが埋まって
おるわけですな。大宇宙をべつにすればこれは人類最後の未知の大地と呼ぶべきでしょう。
 いや、過去問の墓場という表現はよくないですな。何故なら司法試験の墓場という
糞スレを連想させますからな。正確には過去問工場と呼んだ方が近いかもしれません。
 そこでは、無数の記憶や認識の断片が選り分けられ、選り分けられた断片が複雑に
組み合わされて肢を作り、その肢がまた複雑に組み合わされて問題を作り、その問題
がシステムを作り上げておるからです」
「そしてその過去問工場から発せられる指令によって受験生の行動様式が決定されて
いるというわけですね」
「そのとおりです」と永山は言った。

113 :氏名黙秘:04/01/03 16:28 ID:eh5/cTRc
ageとくか。

114 :緑  ◆m94cODTfVc :04/01/07 19:27 ID:???
 結果無価値の出てくるシーンはそこだけではなかった。彼女は次の日曜日の朝に答
練を受ける。いったい「被害者の承諾」は何説で書けばいいんだろう。いかに結果無
価値を無視していないことを強調するためとはいえ、反対説をまるごとパクるのはい
ただけなかった。
「だって、あなた偶然防衛は否定するんでしょう?防衛の意思は必要なのよね?なの
に偶然に被害者が承諾していたときは、たとえ行為者が認識していなくても、違法性
がないっていっていいのかしら?」
 実の台詞はたったひとことだけ。「それがどうしたっていうんだよ?」と言うだけ。
行為無価値の女の子がショックを受けて走って行ってしまったあとで、実がそう言うのだ。
ひどい台詞だった。でもそれが実の語る唯一の言葉だった。

「それがどうしたっていうんだよ?」


115 :氏名黙秘:04/01/07 20:18 ID:???
みんな上手いなぁ
漏れも春樹よく読むけど
こんなのは書けんな

116 :謙三:04/01/08 16:32 ID:???
「どうして新版出したばかりなのに改訂稿書いてるの?」と彼女は訊いた。
「新版」と実は繰り返した。実にもどうしてかはうまく説明できなかった。「どうし
てかな?」と実は自分に向かって問いかけてみた。
「どの論点を改説してるの、いったい?」
 実は考えてみた。考えようと努力してみた。でも何も考えられなかった。
「いいわよ、考えなくても」と彼女はあきらめたように言った。そしてソファに腰を
下ろし、眼鏡の縁にちょっと手をやって実の顔をまじまじと見た。「あなた、でも誤
想防衛を事実の錯誤説に変えたり、中止犯を責任減少説に変えるのはやめてね」
「でうして?そこまで改説しちゃうと、シケタイが不要になって売れなくなってしま
うから?」と実は言った。
「・・・・・・」
「前者は形式的故意概念にかかわるし、後者は違法二元論にかかわる。いずれも僕の
犯罪論体系の中核をなすものだから、変えたりはしないよ」
http://school.2ch.net/test/read.cgi/shihou/1073216065/l50

117 ::04/01/08 17:05 ID:???
「過去問を解いて」とメイが言った。僕は机に向かって問題集を開いた。素敵な問題
集だった。懐かしい問題集。それから僕はわからないところを「スピ六」で調べた。
スピ六、また下らない愛称。どうしてスピ六なんて名前をつけるんだろう?でも僕が
それについて考えているうちに、彼女は僕の腕の中ですやすやと眠ってしまった。僕
の腕の中で眠っているときのメイはもう優秀な合格者には見えなかった。彼女は鼻の
穴で風船を膨らませていた。おそ松くんみたい、と僕は思った。時計はもう四時を回
っていた。あたりはしんと静まりかえっていた。合格者のメイとベテのプー。ただの
イメージ。経費で落とせる予備校の講座。スピ六。またまた勉強をさぼった一日。繋
がりそうで繋がらない。糸を辿るような心細さで合格に至ろうとすると、やがてぷつ
んと切れる。過去問を解いた。刑法パズル問題にある種の好意さえ抱くようになった。
合格者のメイと知り合った。彼女と寝た。素敵だった。僕はベテのプーになった。
官能的雪かき。でも何処にもたどりつかない。

118 ::04/01/09 11:44 ID:???
 今度は彼女が実の目をじっと見た。「私のこと、変な風に思わないでくださいね。
予備校本のまねして答案書くの初めてなんです。基本書のとおり書かないっていうの
は。でも本当にそうしないわけにいかないんです。その理由はあなたが一番わかると
思うけど」
「変な風に思ったりしないよ。僕だってそのくらいのことは知っている。ある年の過
去問を僕の教科書どおり書いてしまうと、次のメインの論点に行けないんだろう?知
ってるよ。だから心配しなくていい」と実は言った。「僕は悪い人間じゃない。あま
り2ちゃんでは良く書かれないけど、君たちが予備校で教えられているとおりに書い
たからって、決して変な点数はつけなかったと思うよ」

119 :氏名黙秘:04/01/09 13:04 ID:???
ノブキには何もやることがなかった。やるべきこともなければ、やりたいこともな
かった。ノブキがやるべきことは、カズノがやってしまったのだ。カズノは自己の執
筆部分に記号を付していたが、そんなことをする必要などなかったのだとノブキは思
った。誰が読んでもノブキが執筆した部分との違いは明瞭だった。
 ノブキの対抗馬と目されていた京都の人の本は、改訂を重ねるたびに解かりづらい
文章になった。もっとも彼の功績は、憲法の学習に暗号解読の楽しさを導入したこと
であり、そのことはノブキも評価していた。大衆化された大学においては、憲法の学
習に何らかの楽しみが必要であることは、つとに指摘されていたところだったのだ。

120 :氏名黙秘:04/01/10 17:55 ID:???
 ノブキは何も思いつかなかった。
 仕方なくロビーのソファに座ってしばらくぼんやりとあたりを眺めていた。フロン
トにはシケタイ憲法を読んでいる眼鏡をかけた女の子の姿が見えた。ノブキと目が合
うと、彼女はちょっと緊張したみたいに見えた。何故だろう?僕がこの世に存在して
いるということが彼女の中の何かを刺激するのだろうか?わからない。ノブキは彼女
に近づいて訊ねてみた。
「シケタイ憲法は、面白いかい?」
 彼女は少し赤くなった。「ごめんなさい。家に帰れば岩波の『憲法 第三版』があ
るんです」
 ノブキはにっこりした。


121 :氏名黙秘:04/01/10 17:56 ID:???
「でも、岩波の『憲法』って地方自治と参政権のところが少し手薄な気がするんです。
それに国家賠償請求権と刑事補償請求権は、ほとんど何も書いていないに等しい
し・・・。あっ、ごめんなさい、名著であることは皆な認めてはいるんですけれど」
 確かに、刑事補償請求権は何も書いていないに等しかった。でもそのおかげで、条
文さえ覚えておけば正解できる択一問題しか法務省は出題できないだろう、と言いか
けてノブキは口を閉ざした。あんなマイナーな条文について大ノブキがごちゃごちゃ
と細かい判例を紹介するまでもなかろうと思っていたのだ。ところが、そのことが原
因で、干拓と成川が売上げを伸ばすことになろうとは、さすがの大ノブキにも予想が
できなかった。


122 :氏名黙秘:04/01/10 20:07 ID:???
 ノブキは伊藤真の偽名を使ってオープンとハイレベルを受講することにした。民法
と刑法はちょっと自信がなかったが、それでも常に16点以上は叩きだしていた。し
かし、去年のハイレベルの3回目の憲法で13点しか取れなかったときはショックだ
った。
 憲法の解説が芦部説ベースで書かれているのを見てホッとするのが受講の目的で
あったが、いまだに京都の人の学説ベースで書かれている解説を時折見かけるとゾッ
とした。
「この席、空いていますか?」
 20代前半の可愛らしい女の子が話しかけてきた。ノブキのゼミにはこんな可愛い
女の子はいなかった。


123 :氏名黙秘:04/01/12 01:51 ID:???
オモちロイ
誰かカフカも書いてほしいな是非是非
漏れには書けんが



124 :氏名黙秘:04/01/15 17:54 ID:???
近所の本屋へ行ったところ、カフカは1冊もなかった。
カミュの「異邦人」もなかった。

きょうマコツが死んだ ・・・という冒頭の文章はできていたのに、残念。

125 :氏名黙秘:04/01/17 10:33 ID:???
http://school.2ch.net/test/read.cgi/shihou/1053121804/66
「こんな事言われてるわよ、あなたなんとも思わないの?」
「しょうがないさ、ヴェテの定義は人それぞれだからね、
 未受験者にとっては受験2回目であってもヴェテなんだろうね」
「そう…、私は誰の定義によってもヴェテね」
「だろうね」


126 :氏名黙秘:04/01/17 10:49 ID:???
「あなたはロー入試は受けてるの?」
「先週D大を受けてきた、来週はK大、その次はK大、あともう一つくらい受けるかもしれない」
「大変ね」
「そうでもないさ、ただメニュー一覧の中から自分の学力で行ける所を選ぶだけだからね、
 D大は受かっても行くかどうか分からないし、そもそも現行とローで迷ってもいるから、
 今年のロー入試は適当に受けてるだけだよ」
「あなたってすごいのね」
「どうして?」
「それだけ選べるメニューがあって…、私には何もない」
「……」
「あなたはさっきまるでレストランみたいにメニューから選ぶだけだと言ったけど、
 私のメニューにはなにも書かれてないわ」
「糞ヴェテの私には現行以外選択肢なんてないのよ、貴方にはそれがわかるの?」
「……」
そのとき病室にマコツが帰ってきた
「どうした?」
「彼に大学生活の事を話してもらっていたのよ」


127 :氏名黙秘:04/01/17 11:07 ID:???
自習室からの帰り道マコツはしばらく黙っていた。
  ―――
「何を話していたんだ?」
「別に、普通の事だよ」

「…択一が近づいて気が立っているんだ、気にしないでやってくれ」
「別になんでもないよ」

「なあ」
「何?」
「お前は将来弁護士になるんだったな?」
「なれればね」
「お前が弁護士になっても、あいつの事忘れないでいてくれないか?」
「?」
「俺はお前と違って頭が悪い、女癖も悪い。
 俺はいつかあいつの事を忘れるだろう。
 でも俺はあいつの事を覚えておきたいんだ、
 あいつの事を知っている人間がいなくなるのが嫌なんだ。」
「……」
「だからお前が俺の代りに忘れないでいてやってくれ」
「…忘れないよ」
「そうか、じゃあ約束だ、俺とお前は塾生だからこの約束はマコツ同盟だ」


128 :カミュ的司法試験:04/01/18 19:19 ID:???
 きょう、不合格の通知が届いた。もしかすると、これで五校全部落ちたのかもしれ
ないが、私にはわからない。ローから電報をもらった。「キデンノユウヤクヲイノル、
ハルウララ」これでは何もわからない。恐らく落ちたのだろう。
 私は主人に二日間の休暇を願い出た。こんな事情があったのでは、休暇をことわる
わけにはゆかないが、彼は不満な様子だった。「私のせいではないんです」といって
やったが、彼は返事をしなかった。そこで、こんなことは、口にすべきではなかった、
と思った。とにかく、言いわけなどしないでもよかった。むしろ彼の方が私に向かっ
て「現行で頑張ればいいじゃないか」とかなんとかいわなければならないはずだ。
が、彼が実際悔みをいうのはもちろん明後日、喪服姿の私の家族に出会ったときにな
ろう。


129 :リルケ的司法試験:04/01/18 19:39 ID:???
彼等は受からない人々ではない ただ受かっていないのにすぎない
彼等はなんの職も持たず なんの世界もない
極度の社会的不適合者の烙印を押され
すかっり誇りをむしり取られ 歪められている

都会のあらゆる塵埃が彼等へ押しよせ
あらゆる汚物が彼等にぶら下がっている
彼等は疱瘡の床のように忌み嫌われ
破片のように 骸骨のように
過ぎてしまった年の暦のように投げすてられてている――


130 :Die Verwandlung:04/01/19 17:22 ID:???
 ある朝、マコツがなにか気がかりな夢から目をさますと、自分が寝床の中で一匹の
巨大な虫に変わっているのを発見した。彼は鎧のように堅い背を下にして、あおむけ
に横たわっていた。頭をすこし持ちあげると、アーチのようにふくらんだ褐色の腹が
見える。腹の上には横に幾本かの筋がついていて、筋の部分はくぼんでいる。彼を驚
かせたのは、腹の下にあるべき自慢のペニスが消滅していたことであった。たくさん
の足が彼の目の前に頼りなげにぴくぴく動いていた。以前存在したはずのペニスの太
さにくらべて、足はひどくか細かった。


131 :Die Verwandlung:04/01/19 17:22 ID:???
「これはいったいどうしたことだ」と彼は思った。夢ではない。見まわす周囲は、小
さすぎるとはいえ、とにかく人間が住む普通の部屋、自分のいつもの部屋である。四
方の壁も見なれたいつもの壁である。テーブルの上には、書きかけのシケタイの原稿
が雑然と散らばっている。――彼は受験界のカリスマ講師であった。――テーブルの
上方の壁にはお正月の書初めがかかっている。ついこのあいだ、新年を迎え気持ちを
新たにして書いた「やればできる」だ。


132 :Die Verwandlung:04/01/19 17:23 ID:???
 それからマコツは窓の外を見た。陰気な天気は気持ちをひどくめいらせた。――窓
の下のブリキ板を打つ雨の音が聞こえる。――もう少々眠って、この悪夢をすべて忘
れてしまったらどうだろうかとも考えてみたが、しかしそれは実行不可能だった。
なぜかというと、マコツは右を下にして寝る習慣があったが、現在のような体の状態
では、それはできない相談であった。どんなに一所懸命になって右を下にしようとし
ても、そのたびにぐらりぐらりと体が揺れて、結局もとのあおむけの姿勢に戻ってし
まう。百回もそうしようと試みただろうか。その間も目はつぶったままであった。目
を開けていると、もぞもぞ動いているたくさんの足がいやでも見えてしまうからだ。
しかしそのうちに脇腹あたりに、これまでに経験したことのないような鈍痛を感じは
じめた。そこで仕方なく右を下にして寝ようという努力を中止した。


133 :氏名黙秘:04/01/19 17:23 ID:???
Kafkaキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!

134 :Die Verwandlung:04/01/19 19:42 ID:???
 マコツは思った。「やれやれ俺はなんという辛気くさい商売を選んでしまったんだ
ろう。年がら年じゅう、憲法の精神だ。会社勤めだっていろいろ面倒なことはあるの
だが、受験生相手の商売につきまとう苦労はまた格別なのだ。そのうえロー開校とい
うやっかいな問題があって、不認可ばかりは俺の力でもどうにもならない。それに、
人づきあいだってそうだ。二年三年で諦めてくれればいいものを、長くいる受験生は
俺のかつらの秘密まで2ちゃんに書きたてるしまつで、本当に親しくなるようなこと
なんか絶対にありはしない。何といういまいましいことだ」腹の上がなんだか少々痒
い。頭をもっと高くもたげられるように、あおむけになったまま少しづつ体を上の方
へ、寝台の前枠の方へずらせてみると、そのむず痒い場所が見えた。そこにはただも
う小さな白い点々がいっぱいくっついていた。それが何であるかはわからなかった。
一本の足を使ってその場所に触ってみようとしたが、すぐまたその足を引っ込めた。
ちょっと触ってみたら、ぞうっと寒気がしたからである。


135 :Die Verwandlung:04/01/19 19:43 ID:???
 彼はあおむけのまま、また体をずらせて元の位置に戻った。彼は思った、「この、
早起き特訓というやつは受験生をうすら馬鹿にしてしまう。受験生はたっぷりと眠ら
なければいけないのだ。ほかの受験生たちはハーレムに女を集めてよろしくやってい
るではないか。はやい話しが早起きして勉強している受験生が午前中に自宅に戻り、
かき集めたレジュメを整理してパンチ穴を空けようという頃になって(そう、うちの
レジュメは自分でパンチ穴を空ける必要がある)、ほかの受験生はやっと朝食という
段取りだ。この俺がそんなことでもしようものなら、たちまち2ちゃんで晒されてし
まうだろう。


136 :Die Verwandlung:04/01/19 19:44 ID:???
 この俺だってそんなふうにのんびりとやってみたいのは山々なのだ。ハーレムに女
を集めて、一日中2ちゃんで講師の悪口を書いていたいよ。両親というものがあれば
こそこうやって我慢もしているんだが、親がいなかったならば、もうとっくの昔に講
師なんかやめて、さんざん俺の悪口を書きたてた受験生の前につかつかと進み、思っ
ているとおりのことをずけずけと言ってやる。そうしたらやつらは仰天して一生試験
に受からないだろう。いずれにしろ氏名黙秘で、俺の悪口をさんざん書き込むという
のは奇妙な流儀さ。そのうえまだ司法試験に受かれないときているんだから、よっぽ
ど頭が悪いんだろうな。いや、全然希望をもてないというわけのものじゃない。将来
銀行への返済の目処がついたら――まだ五、六年先のことになるだろうが――そうし
たら俺は断然やってやるぞ。それが俺の人生の一大転換期になるだろう。それはそれ
として、さあ、今はもう起きなければならない、講義が始まるのは六時なのだから」


137 :氏名黙秘:04/01/19 19:46 ID:???
高校のときの家庭教師の先生が
カフカって面白いよって言ってました。
本当に面白いですね。
文庫本買って読んでみます。

138 :Die Verwandlung:04/01/20 15:43 ID:???
 そういったことを思いめぐらせて、しかも寝床を離れようという決心がつきかねて
いたときに――そのとき、時計がちょうど六時四十五分を打った――寝台の頭のとこ
ろのドアをそっとノックする音がする。「マコツや」という声がする――母親であっ
た。――「六時四十五分ですよ。お仕事のほうはどうするの?」やさしい声である。
マコツはそれに答える自分の声を聞いてぎょっとした。むろんまぎれもないこれまで
の自分の声には違いなかったが、その昨日までの自分の声の中に、言ってみれば下の
方から、どうしようもない、偽善的な「大丈夫」というだみ声が混じってくるのだ。
この「大丈夫」というだみ声はただ最初の瞬間だけは確かに受験生を勇気づける言葉
の明瞭さを妨げずにいるが、一回二回と択一を落ちるにしたがって、不安を掻きたて
る言葉へと変質してくるのであった。


139 :Die Verwandlung:04/01/20 15:44 ID:???
 自分の体の変化について一切を説明しようと思ったが、そういう次第なので「大丈
夫」と言うにとどめた。ドアは木製であったから、マコツの声の変化は、ドアの外側
にいる者にはおそらくわからなかったのであろう。母親は息子の返事に安心して、足
を引き摺り引き摺り遠のいていった。だがこの小さな問答は、ほかの家人に意外にも
マコツがまだ出かけずにいることをわからせてしまった。果たせるかな、もうひとつ
の側のドアを父親が軽く、しかし拳でノックした。「マコツ、マコツ。どうしたんだ、
いったい」それから少し間を置き、いっそう声を低めて「マコツ、おい」と注意した。
すると向い合わせの別のドアの外では、妹が小声で心配そうに「お兄さん、気分がわ
るいの?また2ちゃんで誰かにいじめられたの?」という。


140 :Die Verwandlung:04/01/20 15:44 ID:???
 マコツはその両方に向かって「大丈夫」とだみ声で答えたが、言葉を慎重に発音し、
言葉と言葉のあいだに長く間をとって、自分の声の、妙に響くようなだみ声をすべて
除き去ろうと苦心した。父親はふたたび朝食のテーブルに戻っていったが、しかし妹
はまだドアのところにいて「お兄さん、ここをお開けなさいよ、ねえ、お願いだから」
と囁いた。だが彼はドアを開けようなどとは思ってもみなかった。童貞時代の習慣が
大人になっても抜けきれず、エロビデオを見るときはドアというドアの錠を下ろして
おくという自分の用心ぶかさに感謝したほどであった。


141 :Die Verwandlung:04/01/20 18:24 ID:???
 最初、彼は、悠々と人に邪魔されずに起き上がり、服を着て、なにはともあれ朝飯
を食べよう、それが終わってからその先のことを考えることにしようと思った。寝床
の中でくよくよ思いわずらっていたって分別のある結論に到達することはあるまい
と推量したからである。思い出してみると、寝床の中で幾度か軽い痛みを感じたよう
でも、ところが起きてみると、そういう苦痛というのがまったくの錯覚だったことが
よくあった。だから自分の今日の有り様も実は寝起きの錯覚だったことがわかるかも
しれないと彼は緊張した。声が変わってしまったのも、昨日の講義で雑談をやりすぎ
たからにほかならないのではあるまいか。彼は頭からそう思い込んで疑わなかった。


142 :Die Verwandlung:04/01/20 18:25 ID:???
 布団をはね除けることは、しごく造作なくやれた。手で持ち上げる必要はなく、た
だほんのちょっと腹をふくらましさえすればよかった。布団は自然と下へ落ちた。と
ころがそれから先が厄介なことになってきた。ことにそれはマコツの体がひどく大き
かったからである。起き上がるには腕や手の助けを借りなければならないのに、その
腕や手の代わりに現在あるのは、絶えずてんでんばらばらに動くたくさんの小さな足
しかなく、またその足さえも彼の思い通りにはならなかった。たとえば一本の足を折
り曲げようとすると、その足はまずグッと伸びる。それでもどうにかこうにかその一
本の足を使って自分のしようと思ったことをなしとげても、その間じゅう他の足ども
は、まるでやっと解き放たれたとでもいうように、痛々しく大騒ぎをやっていた。
「やればできる」とマコツは独り言を言った。


143 :氏名黙秘:04/01/20 20:26 ID:???
もっと!

144 :氏名黙秘:04/01/26 13:12 ID:???
僕はもう永く試験を受けていた 
鼠がビールを飲みながら ジェイズバーの床にピーナッツの皮を
まきちらしていたときから。
風の歌はもう少しも聞こえなかった
願書に生年月日を書く手が重かった
私はその欄をまるで
瞑想にくもる顔のように覗きこんでいた
私の受験勉強の周りには時が堰かれて溜っていた――


145 :氏名黙秘:04/01/26 13:12 ID:???
すると突然 願書のうえに明りがさした
そしてものおじた筆跡のもつれの代りに
ズウズウ弁では「若者」はバカモノと読む 
・・・・・・と願書の到所に書かれているのだった
私はまだ試験委員の顔を知らない けれども私のペンが
ちぎれちぎれに 言葉は
脈絡の糸をたたれて 思い思いの方角へ転がってゆく・・・・・・


146 :Klage:04/01/26 18:20 ID:???

誰に向かってお前は嘆こうとするのか ベテよ?
ますます見捨てられて
お前の道は 不可解な人々の間をぬって
もがきながら 進んでゆく
だがしかし それもおそらくは空しいのだ
なぜなら お前の道は 方向を
未来への方向を 保っているからだ
失われた未来への


147 :Du im Voraus verlorne Geliebte:04/01/26 18:21 ID:???
予め失われている 受験生よ
いちども合格したことのない人よ
私は知らないのだ どんな勉強方法がお前に相応しいかを
未来の波が高まっても もはや私はお前を
そこに乗せてあげることはできない

嗚呼 お前は ベテ
嗚呼 どんなにか期待をもって
私はお前を眺めたか
開かれた窓――するとそこに思いに沈んだお前が

高収入に目がくらんで
私に高いお布施を喜捨したお前
嗚呼 しかし 誰が知ろう?
同じ一羽の鳥の鳴き声が
昨日の夕方 別々に 私たちの内部を貫いてゆかなかったことを

148 :Gebet fur die Irren und Straflinge:04/01/26 19:06 ID:???
お前たち
ローがそっと 顔をそむけてしまった者たちよ
ひとりの たぶんローへ行く者が唱えるだろう
ローの自由な世界で
夜 おもむろに ひとつの祈りを
お前たちから「現行」が消えてなくなるようにと
なぜならお前たちは「現行」を待っているからだ

もし いまお前たちに想い出が浮かんだら
出願してみるがいい
すべては失われてしまったのだ
昔あったものはみな。


149 :Schon bricht das Gluck,verhalten viel zu lang:04/01/26 19:07 ID:???

あまりにも久しく抑えられていた性欲が
既にブリーフの中いっぱいに噴きだして 
ズボンにまで沁みている
背伸びをした巨根の夏は 既に感じている
若いお前の壺の中で その青春の衝動を

軽やかな花はやがて散ってしまった


150 :北方謙三的司法試験:04/01/27 14:08 ID:???
北方謙三 テレビ出演 2月2日(月)スタート
NHK人間講座 『三国志の英傑たち』全9回 講師
教育テレビ  月曜日   午後10:25〜10:50
再放送    翌週月曜日 午後2:00〜2:25
再々放送   翌月土曜日 午前1:00〜1:25


151 :Die Verwandlung 挿絵:04/01/27 15:24 ID:???
                       ,,
                       ミ 彡
                       /__/
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         /二二OOOOOOO|   |OOOOOOO二二\          /ヽ
         \\  OOOOOOO|   |OOOOOOO  //           / /
          /二二qOOOOO|     |OOOOOp二二\           / /
        //<-┘ qOOOp  介  qOOOp └->\\         / /
       //  /二二\__ミ非彡__/二二\  \\     / /
     <<-┘   \\       非          \\ └->>   / /
             \\     非           \\       / /
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152 :カミュ的司法試験:04/01/27 19:36 ID:???
 アラビア人の男は私を見つけると、少しからだを起こし、シャツの下に手を入れた。
もちろん男は、シャツのなかで、私の乳房を握りしめた。それから、彼は私の乳房を
握りしめたまま、私のジーンズのボタンを外しファスナーを下げて、空いているほう
の手をパンティの中に突っ込んだ。私はすでに濡れていた。彼の半ば閉じた瞼の間か
ら、時々ちらりと視線のもれるのがわかった。でも、ひっきりなしに、彼の姿が私の
目の前に踊り、燃えあがる大気のなかに踊った。波音は正午よりももっと物憂げで、
もっと穏かだった。ここに広がる同じ砂の上に、同じ太陽、同じ光が注いでいた。も
う二時間も前から、陽は進むのをやめ、沸き立つ金属みたいな海の中に、錨を投げて
いたのだ。水平線に、小さな蒸気船が通った。それを視線のはじに黒いしみができた
ように感じたのは、私がすっとアラビア人から眼をはなさずにいたからだった。


153 :カミュ的司法試験:04/01/27 19:36 ID:???
 自分が男を拒めば、それで事は終わると、私は考えたが、太陽の光に打ち震えてい
る砂浜が、私の後ろにせまっていた。アラビア人は手早く私の衣服を脱がせると、そ
の貪欲な凸を私の凹に挿入したが、アラビア人はそのまま動かなかった。それでも、
私は膣の肉襞で男のペニスに浮き出た動脈の血の流れを感じることができた。おそら
く、その顔をおおう影のせいだったろうが、彼は笑っている風に見えた。私は待った。
陽の光で、頬が焼けるようだった。眉毛に汗の滴がたまるのを感じた。それはママン
を埋葬した日と同じ太陽だった。あのときのように、特に膣の上部に痛みを感じ、あ
りとあらゆる血管が、皮膚の下でいちどきに脈打っていた。


154 :カミュ的司法試験:04/01/27 19:37 ID:???
 焼けつくような光に耐えかねて、私は顔を横に向けた。私はそれが馬鹿げたことだ
と知っていたし、両腕をアラビア人に押さえられて、太陽から逃れられないことも分
かっていた。男はゆっくりと動きはじめた。アラビア人は、私の腕を押さえていた両
手を私の腰にあてがった。それから激しく腰を前後させ始めた。その瞬間、眉毛にた
まった汗が一度に瞼に流れ、なまぬるく厚いヴェールで瞼をつつんだ。涙と汗のとば
りで、私の目は見えなくなった。額に鳴る太陽のシンバルと、男のペニスの先から迸
る液体を凹で感じるほかには、何ひとつ感じられなくなった。


155 :カミュ的司法試験:04/01/27 19:37 ID:???
 そのときすべてがゆらゆらした。海は重苦しく、激しい息吹を運んできた。空は端
から端まで裂けて、火を降らすかと思われた。男のうめき声と同時に、私の全体がこ
わばった。私はアラビア人の上着のポケットに手を入れて、彼のピストルを抜き取っ
た。引き金はしなやかだった。私は銃尾のすべっこい腹にさわった。乾いた、それで
いて耳を聾する轟音とともに、すべてが始まったのはこのときだった。私は汗と太陽
とを振り払った。昼間の均衡と、私がそこに幸福を感じていた浜辺の異常な沈黙とを、
打ち壊したことを悟った。そこで、私はアラビア人の身動きしない体に、なお四たび
弾丸を撃ち込んだ。弾丸は男のからだに深くくい入ったが、そうとも見えなかった。
それは、私が不幸の扉を叩いた四つの短い音にも似ていた。


156 :カミュ 第二部:04/01/28 15:26 ID:???
 最初、私は予審判事の言うことを真に受けてはいなかった。私だって三振する前は
司法試験の受験生だったのだ。正当防衛と過剰防衛の区別くらいはわかる。彼はカー
テンを下ろした部屋で私を迎えた。その机にはたった一つだけランプが載っていて、
私の座らせられた肘掛椅子を照らしていた。一方、彼はずっと闇の中に座っていたの
だ。以前こうした描写を書物の中で読んだことがあったが、すべてゲームのように見
えた。彼は「魚心あれば水心と言うではないか」と言って、私の上着の襟元から手を
差し入れ、乳房を握りしめた。ところで、じっと眺めると、この予審判事が細おもて
で青い眼は落ち窪み、丈が高く、灰色の口ひげを長く伸ばし、半白の髪をあふれるよ
うに波打たしているのに気づいた。彼はものわかりも良く、また、耳フェチという変
な癖はあったけれども、とにかく、退屈させないセックスをするように思えた。私は
彼に「結婚してくれるわね」とさえ言おうとしたが、丁度その時、自分が人殺しをし
たことを思い出した。


157 :カミュ 第二部:04/01/28 15:26 ID:???
 私は肘掛椅子に座ったままの姿勢でいた。予審判事は巧妙な手つきで私の乳首を刺
激し続けた。彼の指先が乳首に触れるたびに、私の凹が反応するのがわかった。尋問
が始まった。まず判事は、私が人から口数が少なく、内に閉じこもりがちな性格だと
見られていると言い、そのことをどう考えているか、と尋ねた。「言うべきことがあ
まりないので、・・・アッ・・・、それで黙っている・・・フーゥ・・・だけです」と私は答えた。
判事は最初のときのように微笑して、それはもっともな理由だとこれを認め、「それ
に、これは大したことではない」と付け加えながら、親指と中指で乳首をはさみ、コ
リコリとつまんだ。彼は黙りこんで、私のブラウスのボタンを一つ一つ丁寧に外しな
がら、「あなたという人は、面白い人だ」と早口に言うと、ブラジャーの肩紐を下ろ
し、私の乳房を露わにするやいなや、赤ん坊のように私の乳首を口に咥えた。


158 :カミュ 第二部:04/01/28 15:27 ID:???
 彼の言うところの意味がよく判らなかったので、私は何も答えずにいた。次第に予
審判事が興奮を昂ぶらせてゆくのが、彼の鼻息から理解できた。彼は、つけ加えて、
「あなたの行動には、私には分かりかねる点が多々あるが、あなたが私を助けて、そ
れを判らせてくれることを確信しています」と言いながら、スカートの中に手を入れ
てきた。彼は、私に両脚を開くように催促した。私は腿の筋肉を緩め、膝と膝が10cm
離れるくらいに股を開いた。彼の指が私の凹の上を這いずり回った。私も次第に興奮
してきた。そんなことをしつつも、彼は、事件当日のことを陳述するよう、私を促し
た。私は、既に彼に向かって話したことを、もう一度申述べた。レエモン、浜、海水
浴、アラビア人によるレイプ、争い、太陽、そしてピストルを五発撃ち込んだこと。
ひとこと話すたびに、私は「アア・・・、ouf」といい、彼も大きく息をした。横たわっ
た死体のところまで話しが進むと、彼は「もうよろしい」と言って、私の上半身を机
の上に乗せ、それから荒々しくスカートとパンティをずり下ろすと、後ろから私を貫
いた。私といえば、こんな風に、同じ話しを繰り返すことに疲れきっていた。今はた
だ彼の腰の動きが醸し出す快楽に、身を委ねていたかった。


159 :Kindheit:04/01/28 16:26 ID:???
合格を待ちくたびれ 欝陶しい物事にみちて
自室での永い不安や時が流れてゆく
おお ひとりぽっち
おお 重苦しく時をすごすことよ・・・・・・

そしてそれから自室を出ると 往来はきらめき鳴っている
公園には噴水が迸り 公園では半乳見せながら若妻が子供の手を引く――
おお 奇妙な時よ
おお 時を浪費することよ
おお ひとりぽっち


160 :Kindheit:04/01/28 16:26 ID:???
そして あらゆるものを 遠くから覗きこむ
男たちや 女たちや いろいろな人たち
それから 自分とは違って 派手な服装をしている若者たちを
おお 意味のない悲しみよ
おお 夢 おお 恐れ
おお 底なしの深淵よ

そして 黄昏れてゆく公園をあとにする
そして 鬼ごっこをしているような素早さで
めくら滅法に 粗あらしく ペニスに触ってみたりする
おお だんだん遠のいてゆく 択一知識よ
おお 不安 
おお のしかかる重荷よ


161 :Kindheit:04/01/28 16:27 ID:???
または幾時間も 分厚い択一問題集を解き
そして すぐにそれを忘れる
そして 沈みながら AVビデオをデッキに差し込むと
小さな青白い顔に 灰色の微笑が浮かぶ
おお 司法試験
おお 崩れ去ってゆくイメージよ
合格は どこへ どこへ 行ったのか?


162 :氏名黙秘:04/01/28 17:56 ID:???
合 格 は 浪 人 の 対 極 と し て で は な く 、

そ の 一 部 と し て 存 在 す る 。

163 :氏名黙秘:04/01/28 18:35 ID:???
 しばらくの沈黙の後に、彼は身なりを整えて、私はあなたを助けたいと思う、あな
たは面白い人だし、神の加護により、あなたのために何かしてあげられよう、と私に
言った。でも、その前に、彼はもう一度、別な場所であなたとセックスをしたいと言
った。
 その後、何度も予審判事に会って、私と彼はセックスをした。肌を重ねるごとに、
私の凹と彼の凸とは馴染んでゆくようだった。とにかく、少しずつセックスの有りよ
うが変わった。判事はもはや私の惹き起こした殺人事件には関心を持っていないよう
だったし、いわば私の事件はもはや整理ずみになってしまったかに見えた。彼はもう
セックスに必要な言語以外は何も語らなかったし、また最初の尋問の日のような恐い
顔を見ることもなかった。その結果、われわれの逢瀬は、だんだん打ち解けたものに
なった。
 それから数日後、私の身柄は監獄吏の手に渡された。


164 :氏名黙秘:04/01/28 18:36 ID:???
 断じて語りたくなかった事柄もある。刑務所に入って数日たつと、私は自分の生活
のある部分を語りたくないということがわかった。
 しばらくすると、こうした嫌悪の念に、私はもう大した意味を認めなかった。実際
において、最初のうちは、現実に刑務所にいたとは言えなかった。わたしは高級ホテ
ルのスイートルームのような豪華な部屋に軟禁された。
 すべてが始まったのは、脂ぎった顔の所長の訪問を受けてからだった。
「どうかね?ここの暮らしは?」と高い声で所長が言った。
「ええ、刑務所にいるとは思えないわ。部屋は大きくて綺麗だし、美味しい食事はい
ただけるし。娑婆にいたころよりずっと幸せよ」
 所長は微笑していた。それから私に近づくとセーターの下から太い腕を突っ込んで
きた。彼はもちろん私の乳房を握りしめた。


165 :氏名黙秘:04/01/28 18:36 ID:???
 彼のやり方は、それまでセックスをしてきた他のどんな男たちよりも直截で大胆だ
った。彼は私の両腕を縄で縛り上げ、ちょうど背伸びをするような恰好に私を吊るし
上げた。それからニタニタと卑猥な笑顔を見せながら、私の着衣を一枚一枚剥がして
いった。それから私の豊満な体を掌や舌で弄んだ後で、馬のペニスのような巨大なイ
チモツを無理やり挿入してきた。時には部屋に他の数人の男性を入れ、彼らの見てい
る前で私を陵辱した。そういう日は夜明けまで私の体は休ませてもらえなかった。数
人の男が入れ替わり立ち代り怒張を挿入してくる。口にも怒張を押し込まれた。二本
同時に咥えさせられたこともあった。前と後ろから強い力で押されて、私は呼吸する
ことさえ困難を感じた。


166 :Herbsttag:04/01/28 19:27 ID:???
主よ 秋です 夏は偉大でした
希望を私たちにもたらしました

今 家のない者は もはや家を建てることはありません
今 独りでいる者は 永く孤独に留まるでしょう
夜も眠らず 基本書を読み 見飽きた答案を書くでしょう
そして 並木道を あちらこちら
落ち着きもなく 彷徨っているでしょう
落ち葉が 舞い散るときに


167 :Herbst:04/01/28 19:28 ID:???
ヴァカ手が 落ちる 落ちる あたり前のように
大空の園生が 枯れたように
ヴァカ手は ヒラヒラと 落ちる 落ちる

われわれは みんな 落ちる 落ちる
周りを見渡してごらん みんな 落ちる 落ちる

けれども ただひとり この落下を
限りなく優しく その両手に支えている者がある
しかし その優しい者も 落ちる 落ちる


168 :Der Tod des Dichters:04/01/29 11:02 ID:???
彼は横たわっていた 彼のそこに置かれた顔は
うず高く重ねたれた予備校のテキストの間で
蒼白く ものを拒んでいた
それ以来 合格は また合格についてのその認識は
彼の感覚から 引き剥がされ
冷ややかな歳月に また戻っていったのだった

合格した彼を見た者はいなかった

どんなに彼が 合格のために これらのテキストと一体となっていたか
シケタイ デバイス C-Book LIVE過去問
これらの本は 彼の顔であったのだから

嗚呼 彼の顔は これらの全体の広い世界だった
それらは今なお彼の処を欲し 彼を求めている
そして 今脅えつつ死んでゆく彼のマスクは
柔らかで 開いているのだ
まるで大気に触れて朽ちる 果実のように

169 :Klage:04/01/29 11:03 ID:???
おお 何と合格は遠く もうとっくに過ぎ去っていることだろう
私は思う 私はその輝きをすでに通り過ぎてしまったのだ
星は何千年も前に消えてしまったのだと

私は思う 漕ぎ去って行った ボートの中で
何か不安な言葉が囁かれるのを聞いたと

教室の中で試験開始のベルが鳴った・・・・・・
それはどこの教室だったのだろう?

私は祈りたい
すべての星のうちの一つは
まだ本当に存在するに違いない

私は思う たぶん私は知っているのだと
どの星が孤りで 生きつづけてきたかを――
どの星が発光した白い都市のように
大空の光の果てに立っているかを・・・・・・


170 :カミュ:04/01/29 13:09 ID:???
「痛みに耐えて、よく頑張った。すまなかった。賠償については枢機卿と話し合って
くれないか?」総領事は謝罪した。
「所長が和田大学出身者だとは担当部局のほうでも気づかなかったんですね。スーフ
リ出身であることを隠蔽してましてね」枢機卿が付け加えた。
「それって学歴詐称になるんじゃありませんか?」と私は尋ねた。
「まあ、出身サークルをごまかしただけですからね、学歴詐称には当たらないと思い
ますけど?あなたどこの社の方?」
 このとき、このときだけ、いわば私はその権利を持っていたのだが、第二の仮定に
近づくことを自分に許した。私の赦免のことだ。
 たまらないのは、ばかげた喜悦で私の凹をチクチク刺激する、あの所長のもたらし
た血と肉の衝動を、静めなければならなかったことだ。この内なる叫びを押しつぶし、
この叫びを説得することに骨を折らなければならなかった。


171 :カミュ:04/01/29 13:10 ID:???
 教誨師である御用司祭が私を訪ねてきたのは、こうしたときだった。彼の姿を目に
すると、私はちょっと身震いした。司祭はそれに気づいて「恐れないように」と言っ
た。「いつもは違う時間に来るのに」と私が言った。司祭は「これはあなたの特赦請
願とは何の関係もない、まったく友人としての面会であり、特赦請願については何も
知らない」と答えた。私の粗末なベッドに腰を掛けて、彼は自分のそばに来て座るよ
うに勧めた。私は言われるままにした。
 前腕を膝に置き、うなだれて、彼はしばらくそこに腰を掛けたなり、自分の手を見
つめていた。その手はほっそりと筋張っていて、敏捷な二匹の獣を思わせた。そのう
ちの一匹が私の囚人服のボタンの間から侵入してきた。もちろん彼は、私の乳房を握
りしめた。


172 :カミュ:04/01/29 13:12 ID:???
 突然司祭は頭を上げて、私を真正面から眺め、「なぜ乳房を握りしめられるのを拒
絶しないのですか?」と言った。「神を信じていないのだ」と私は答えた。彼は私の
乳房を揉みしだきながら、「その点、確信があるのか?」と尋ねたので、私は、「十三
歳の頃からいつもこうだった。どの男もみんな私を見ると私の乳房を握りしめた。そ
んなことはつまらぬ問題だと思う」と言った。すると彼は私のズボンを脱がせて、私
の腿に手を置き、「すべすべした美しい肌をしているね」と言いながら腿をさすった。
それから彼は「自分では確信があるような気がしていても、実際にはそうでないこと
があるものだ」と呟きながら、パンティの中に手を入れて、私の凹を弄んだ。私は何
も言わずにいた。司祭は私の顔のすぐ近くにまで顔を寄せ、「どう思いますか?」と
尋ねた。私は「そうかも知れない」と答えて、私の唇の間に押し込まれてきた彼の舌
に、自分の舌をからめた。とにかく、私は何に興味があるかという点については確信
がなかったが、進行しつつある肉の官能を拒むことができないという点については、
十分に確信があったのだ。そして、彼が法衣の間から露出させて挿入してきた男根を、
拒絶しなかった。


173 :カミュ:04/01/29 13:46 ID:???
 彼は私に犬のような恰好をさせると、私から目をそむけたままで、抽送を繰り返し
た。そして「絶望のあまり、あなたはセックスをするのか?」と尋ねた。「私は絶望
しているわけではない」と説明した。私はただ気持ちのいいことが好きなだけだった
が、輪姦は嫌いなのだとも答えた。「それなら、神様があなたを助けて下さるでしょ
う。私の知る限り、あなたのような場合には、どんな人でも、神の方へ向かって行き
ました」と司祭は言いながら、さらに激しく腰を前後させた。それは、その人たちの
権利だということを、私は認めた。しかし、私は誰にも助けてもらいたくなかったし、
また自分に興味のないことに興味を持つというような時間はなかった。


174 :カミュ:04/01/29 13:46 ID:???
 このとき、彼の華奢な体が私の背中に覆い被さってきた。そして床に向かって垂れ
下がっている私の乳房を両手ですくい上げるようにして揉んだ。いっそう彼の動きは
早くなり、五分ほど後に果てた。
 彼は体を起こして、その法衣の皺を直した。やり終えると、彼は私を「友よ」と呼
んで、話しかけてきた。彼は「私がこのように話しかけるのは、あなたが死刑囚だか
らではない。我々はすべて死刑囚なのだ」と彼は言った。しかし、私は彼の言葉をさ
えぎって、「それは同じことではない。のみならず、それはどんな場合にも慰めとは
なりえない」と言った。「確かにそうです」と彼は同意した。「しかし、あなたはじき
に死なないとしても、遠い将来には死ななければならない。そのときには、同じ問題
がやって来るでしょう?この恐ろしい試練を、それまでいかにして耐えるつもりなん
です?」と言った。私は法衣の中にしまわれた彼の男根を、法衣の上からさすった。
しだいに彼の男根は活力を回復してきた。「現に、私が死に近づいているように、正
確にそれに近づいていけるだろう」と私は答えながら、彼の勃起したペニスを口に咥
えた。


175 :カミュ:04/01/29 13:47 ID:???
 この言葉を聞くと、司祭は立ち上がって、私の眼の中をまっすぐに見た。そして、
「それではあなたは何の希望も持たず、完全に死んでゆくと考えながら、司法試験を
受け続け、ひまがあれば2ちゃんのエロ小説を読んでいるのですか?」と彼は尋ねた
が、その声はちんこの気持ちよさが影響して震えていた。「そうです」と私は答えた。
 すると司祭はうなだれて、また腰を下ろした。「あなたを気の毒に思う」と彼は言
った。そのように生きることは人間には堪え難い、と彼は思っていたのだ。そんな彼
のちんこがさっきからガマン汁を発し続けていることに、私はうんざりした。


176 :カミュ:04/01/29 13:47 ID:???
 司祭は、あなたの特赦請願は受理されるだろうが、しかし、あなたは下ろさねばな
らぬ罪の重荷を背負っている、という彼の信念を語った。人間の裁きは何でもない、
神の裁きがすべてだ、と彼は言った。「私に死刑を与えたのは、人間の裁きだ」と私
が言うと、「それはそれだけのものであって、あなたがいま行っている私との行為の
罪を洗い清めることはない」と彼は答えた。「罪というものは何だか私には分からな
い」と私は言った。「ただ私が罪人だということを人から告げられただけだ。私は罪
人であり、私は償いのためにあなたにこうしてフェラチオのサービスをしている。誰
もこれ以上私に要求することはできないのだ」
 このとき司祭は、また立ち上がった。この狭い独房では、採りうる体位が限られて
しまうから、他の場所でセックスしようと司祭は言うに違いない、と私は考えた。
「これから私の部屋に来ないか?」と司祭は言った。


177 :An die Frau Prinzessin Madeleine von Broglie:04/01/29 18:25 ID:???
そうだ 私たちも存在するのだ
けれども 私たちにとって日々が速やかに
幻とともに過ぎ去ってゆくのは
ほとんど 羊の群にとってと変わりがない
私たちもまた 試験が終わるたびごとに
予備校を去ってゆくことを望んでいるのに
誰も私たちを 研修所へ追い込んでくれる者がいない

私たちは 昼も夜も いつまでもここに留まっている
論文答練は私たちに快く 択一答練はさらけだした誤植で笑わせる
私たちは起ち上がったり 身を横たえたり
いくらか勇気をもったり 臆病になったりしている

ただ時折 私たちが このように苦しんで悩んで 問題演習に倦み
それで ほとんど 死に果てようとすると そんなとき
私たちが理解できないもののなかから
ひとつの顔が生まれ それが輝かしく
私たちを 見つめている


178 :Die Schwestern:04/01/30 13:14 ID:???
ごらん ベテとヴァカ手が同じ基本書を
別々に身につけ べつべつに理解するのを
それは まるで異なった時間が
ふたつの同じ部屋を 横切ってゆくかのようだ

お互いに 相手を 罵りあいながら
ふたりは 相手を 凌いでいると思っている
けれども 血で血を洗う罵りあいも
お互いに 何の役にも立たないのだ

昔のように 優しくふれあい
ふたりが 並木道に沿って
手を取りながら 取られながら 行こうとしても
嗚呼 ふたりの歩みは もう同じではない


179 :Lass dir,deβ Kindheit war:04/01/30 15:42 ID:???
お前にも秀才と呼ばれた時があったことを
この神々に忠実な 名状し難いひとときがあったことを
運命によって打ち消されてはならない

ああ しかし だからと言って
お前が合格するというのではない
お前の才能に 金をかけて 時間をかけて
それを小綺麗に飾り立てる謬見は
ただ束の間 人を欺いたにすぎない
ロースクールが現行よりも安全でもなく
労わられているのでも 決してないのだ

いかなる神も お前の受験時代を償いはしない
受験生は 守られていないのだ
ちょうど寒さに震える小動物のように
冬の肉食獣から 守られていないのだ


180 :Lass dir,deβ Kindheit war:04/01/30 15:42 ID:???
いや それ以上に お前たちは守られていないのだ
なぜなら お前たちは 隠れ場を知らないから
まるでお前たちの人格そのものを脅かすように
守られていないのだ
魔王のいないカンちゃんのように
扉を閉め切った家の中を徘徊する者のように

なぜなら 誰が知らないであろう
お前たちを 庇い守ると断言した者たちが
偽りであることを?――それは自分自身 危険にさらされているのだ
では いったい誰にできよう お前を庇うことが?


181 :氏名黙秘:04/02/03 19:26 ID:???
 僕は縁側で「ちんこ」を撫でながら柱にもたれて一日中庭を眺めていた。まるで
体中の力が抜けてしまったような気がした。午後が深まり、薄暮がやってきて、
やがてほんのりと青い夜の闇が庭を包んだ。「ちんこ」は一時間ばかり前に萎えて
しまっていたが、僕はまだ桜の花を眺めていた。春の闇の中の桜の花は、まるで
皮膚を裂いてはじけ出てきた爛れた肉のように僕には見えた。庭はそんな多くの
肉の甘く重い腐臭に充ちていた。

182 :氏名黙秘:04/02/05 13:58 ID:???
春樹以外はよそでやってくれよ

183 :あげ屋さん ◆P1AWcg9OTs :04/02/08 19:51 ID:fVQqaoO7
(・∀・)age!


184 :氏名黙秘:04/02/08 23:51 ID:???
過去ログのURLだけ教えてください

185 :氏名黙秘:04/02/10 17:25 ID:???
 正確に言えば、僕は司法試験を愛してはいなかった。司法試験ももちろん僕のこと
を愛してはいなかった。しかし司法試験を愛しているとかいないとかいうのは、その
ときの僕にとっては大事な問題ではなかった。大事だったのは、自分が今、何かに
激しく巻き込まれていて、その何かの中には僕にとって重要なものが含まれている
はずだ、ということだった。それが何であるのかを僕は知りたかった。とても知りた
かった。できることなら試験委員の脳みその中に手を突っ込んで、その何かに直接
触れたいとさえ思った。

186 :氏名黙秘:04/02/14 15:54 ID:???
村上春樹的司法試験
http://ebi.2ch.net/shihou/kako/989/989382499.html

【鬱】村上春樹的司法試験【再】
http://school.2ch.net/shihou/kako/1020/10204/1020409187.html

187 :氏名黙秘:04/02/14 15:58 ID:???
 僕は答案を書くことが好きだった。でも僕の答案はこのような理不尽な力を僕に一度も
味わわせてはくれなかった。それに比べて僕は合格答案のことを何ひとつ知らなかった。
愛情を感じているわけでもなかった。でも僕の答案は僕を震わせ、激しく引き寄せた。
僕が真剣に他人の合格答案を検討しなかったのは、結局のところ真剣に検討する必要を
感じなかったからだ。真剣に検討するようなエネルギーがあれば、僕はそれを使って行き
ずりのセックスをした。

188 :氏名黙秘:04/02/16 01:26 ID:aQK5UsDN
(≧∇≦)b

189 :氏名黙秘:04/02/16 15:55 ID:???
 僕と合格答案とはたぶんそのような関係を何年か息つく暇もなく夢中になって続けたあとで、
どちらからともなく遠ざかっていっただろうと思う。何故ならそのとき僕らがやっていたのは
疑問をさしはさむ余地もない、きわめて自然で当然な行為であり、必要な行為だったからだ。
Law Schoolや罪悪感や未来といったようなものがそこに入り込む可能性は最初から閉ざされて
いたのだ。

190 :氏名黙秘:04/02/16 17:17 ID:???
 ロースクール時代には、僕はどこにでもいる普通の二十代の青年になっていた。それが
僕の人生の第二段階だった――普通の人間になること。それは僕にとって進化の一過程だった。
僕は特殊であることをやめて、普通の人間になった。もちろん科学的人間が事後的客観的
に観察すれば、僕がそれなりのトラブルを抱えた青年であることは容易に見てとれたはず
だった。でも結局のところ、それなりのトラブルを抱えていない二十代の青年がどこの世界
に存在するだろう?そういう意味では、僕が合格に近づいたのと同時に、合格も僕に近づい
たのだ。

191 :氏名黙秘:04/02/16 17:22 ID:???
「誰にも教わらずにこれだけ書けるってたいしたもんだと思うよ、たしかに」
「そりゃ大変だったわよ」と緑がため息をつきながら言った。「なにしろ司法試験なんてもの
にまるで理解も関心もない一家でしょ。きちんとした基本書とか予備校のカセットとか買いた
いって言ってもお金なんて出してくれないのよ。シケタイで十分だっていうの。冗談じゃない
わよ。あんなペラペラのシケタイで本試験問題なんか解けるもんですか。でもそう言うとね、
本試験問題なんか解けなくていいって言われるの。一生受験生やってろって。だから仕方ない
わよ。せっせとおこづかいためて芦部憲法とか内田民法とか大谷刑法とか買ったの。ねえ信じ
られる。無職の女の子が一所懸命爪に火をともすようにお金ためて芦部憲法とか内田民法とか
大谷刑法買ってるなんて。まわりの友だちはたっぷりおこづかいもらって短答演習やら論文講座
やら行ってるっていうのによ。可哀そうだと思うでしょ?」
 僕はじゅんさいの吸物をすすりながら肯いた。

192 :氏名黙秘:04/02/16 17:24 ID:???
「こういう知識が重要だとはとても思えないんですがね」と僕は言った。「正直言って瑣末な
ことのように思える」
「しかし瑣末なことが本番になって結構役に立つんです。瑣末な知識で問題が解決した例は幾
つもあります。逆に瑣末なことをおろそかにして後悔した受験生も何人もいます。なにしろこ
れは司法試験ですからね。君の一生がかかってるんです。我々だって真剣なんです。悪いけど
我慢して覚えてください。正直言いましてね、あんたをローへ押し込んでも三年後にいい結果
を出すとはとても思えないんです。そうでしょう?いっぱい書類がいる。融通もきかなくなる。
だいいちあんた陰毛にまで白髪がまじってくるような年齢なんでしょう?」

193 :氏名黙秘:04/02/16 17:32 ID:???
 でも考えてみればマコツは司法試験に合格する前から実にそういうタイプの男だった。
感じはいい、でも実体がよくわからないのだ。僕は受験時代二年間彼と同じ予備校で勉強
していた。民法の論文過去問演習では同じゼミに属していた。だから時々二人でキャバク
ラにも行った。昔からポスターそのままにおそろしく感じのいい男だった。キャバクラの
女の子はその当時から彼に失神しそうなくらい憧れていた。彼が女の子に話しかけると、
みんなうっとりした目をした。彼が余興として優雅な手付きでライターを自分の肛門に近
づけオナラに火をつけるとみんなオリンピックの開会式でも見るみたいな目付きで彼を見
ていた。


194 :氏名黙秘:04/02/16 18:49 ID:???
   ON

 やあ、みんな今晩は、元気かい?僕は最高にご機嫌に元気だよ。みんなにも半分わけてやりたいくらいだ。
こちらはおなじみ「伊藤コマツの司法試験塾・択一過去問復習講座」の時間だよ。僕がこの講座を担当する
塾長のコマツ、よろしく。これから9時までの素晴らしい土曜の夜の3時間、イカした択一過去問をガンガン
解いていく。なつかしい問題、想い出の問題、楽しい問題、踊り出したくなる問題、うんざりする問題、吐き気
のする問題、何んでもいいぜ、どんどんリクエストしてくれ。メールアドレスはみんな知ってるね。いいかい
間違えないように送信してくれ。出して損、受けて迷惑、間違いメール、少し字余り、なんてね。よーし、みんな
今年の択一はダメだったわけだけど、そんなことはゴキゲンな過去問を解いて忘れよう。いいかい。素晴らしい
過去問ってのはそういうためにあるんだぜ。可愛い女の子と同じだ。オーケー、一問目。これをただ黙って解いて
くれ。本当に良い問題だ。劣等感なんて忘れちまう。昭和56年度第90問「刑法上の暴行概念について」。
3分30秒後に会おう。

195 :氏名黙秘:04/02/16 18:59 ID:???
OFF

…ふう…なんて難問だい、まったく…

 …ねえ、リクエストもっとないの? …悪問だよ、こりゃ…おい、よしてくれよ、俺はね、一発合格だから
択一プロパーの勉強なんてまともにやってるヒマなかったんだよ…

…そう、こんなもんだ…

…ねえ、喉が乾いちゃったよ、誰かよく冷えたコーラ持ってきてくれない? 
…大丈夫さ小便なんて出やしないよ。俺の膀胱はね、特別に頑丈に…そう、ボーコー…

…ありがとう、ミッちゃん、素敵だよ…うむ、よく冷えてる…

…ねえ、栓抜きがないよ…

 …馬鹿言え、歯で開くわきゃないだろ? …おい、解答時間が終わるよ。時間がないんだ、悪ふざけはよせよ
…ねえ、栓抜き!

…畜生…

196 :氏名黙秘:04/02/20 15:31 ID:???
 僕とイズミはそれから三年以上受験を続けた。僕らは週に一度の答練を受けた。
その帰りに映画に行ったり、図書館に行って一緒に勉強をしたり、あるいは何を
するともなくあちこちを歩き回ったりした。しかし僕と彼女とは、司法試験の
関係においては最後の段階まで行かなかった。ときどき彼女がもうこの試験終わり
にしようかとか言ってへこんでいるときには、僕は彼女を家に呼んで鋤焼き
パーティーをした。そして僕らは国産牛肉と銘打ったオーストラリア牛の入った
鋤焼きを食べた。月に二回くらいはそういうことがあったと思う。

197 :氏名黙秘:04/02/20 20:05 ID:???
「ねえ、もしあなたが好きになった女の子が論文6連敗であることがわかったら、
あなたはどうする?」とメイは話の続きを始めた。
「サーカスに売るね」と僕は言った。
「本当に?」
「冗談だよ」と僕はびっくりして言った。「たぶん気にしないと思うね」
「子供に遺伝する可能性があるとしても?」
 僕は少しそれについて考えてみた。
「気にしないと思うね。論文6連敗だったって、たいした支障はない」
「択一6連敗だったとしたら?」
 僕はそれについてもしばらく考えてみた。
「サーカスに売るね」と僕は言った。


198 :氏名黙秘:04/02/21 12:02 ID:???
「教えて」とユキは言った。
「本当にいいんだね」と僕は言った。「最初は少し痛いかもしれないよ。誰でもそう
だよ。初受験でも、甲子園での初打席も、最初から上手くいくなんてことはない。セ
ックスだってそうだ。いい気持ちになるのは一時間腰を動かしていてもほんの数秒に
すぎない。あとは大量生産の屑みたいなもんだ。でも昔はそんなこと真剣に考えなか
った。誰と寝てもけっこう楽しかった。若かったし、時間は幾らでもあったし、それ
に恋をしていた。つまらないものにも、些細なことにも心の震えのようなものを託す
ることができた。僕の言っていることわかるかな?」
「何となく。でもあたしとのことは恋じゃないの?」とユキは言った。
「ズコバコ(俺はお前とセックスしたい)」と『ろ』は言った。


199 :氏名黙秘:04/02/21 13:56 ID:???
 フランク・ザッパの『娘17、売春盛り』がかかったので、僕はしばらくそれを一
緒に合唱した。「痛くない?」と僕は聞いてみた。
「ううん。悪くない」と彼女は言った。
「悪くない」と僕も言った。
「今は恋をしないの?」とユキが訊いた。
 僕はユキの中でペニスを動かしながら少し真剣に考えた。「むずかしい質問だ」と
僕は言った。「君は好きな男の子はいるの?」
「いない」と彼女は言った。「セックスしたがる奴はいっぱいいるけど」
「気持ちはわかる」と僕は言った。


200 :氏名黙秘:04/02/21 14:35 ID:???
「お金もらってセックスしている方が楽しい」
「その気持ちもわかる」
「本当にわかる?」とユキは言って、疑わしそうな目を細めて僕を見た。
「本当にわかる」と僕は言った。「みんなはそれを売春と呼ぶ。でも別にそれはそれ
でいいんだ。僕の人生は僕のものだし、君の人生は君のものだ。何を求めるかさえは
っきりしていれば、君は君の好きなように生きればいいんだ。人が何と言おうと知っ
たことじゃない。そんな奴らは青少年保護条例最判でも読んでいればいいんだ。僕は
昔、君くらいの歳の時にそう考えていた。今でもやはりそう考えている。それはある
いは僕が人間的に成長していないからかもしれない。あるいは僕が恒久的に正しいの
かもしれない。まだよくわからない。なかなか解答が出てこないし、論文試験にはも
う出ないのかもしれない」


201 :氏名黙秘:04/02/21 15:04 ID:???
「ねえ」とユキが言った。「あなた、ちょっと変わってるみたい。みんなにそう言わ
れない?」
「ふふん」と僕は否定的に言った。
「総合Aとったことある?」
「一度とった」
「翌年は?」
「総合E」
「どうして?」
「試験委員に逃げられたんだ」
「本当、それ?」
「本当だよ。試験委員が大量に入れ替わって勘が狂ってしまったんだ」
「可哀そう」と彼女は言った。
「ありがとう」と僕は言った。


202 :氏名黙秘:04/02/21 16:16 ID:???
 僕は彼女が食器を洗うのを手伝った。僕は緑のとなりに立って、彼女の洗う食器を
タオルで拭いて、調理台の上に積んでいった。
「ところで一緒に勉強していたベテさんたちはみんな何処に行っちゃったの?」と僕
は訊いてみた。
「甲さんはお墓の中よ。二年前死んだの、首吊って」
「それ、さっき聞いた」
「乙さんは婚約者とデートしてるの。どこかドライブに行ったんじゃないかしら。乙
さんの彼はね消費者金融につとめてるの。返済が滞って彼が債権回収に来たときに、
できちゃたんじゃないかしら。私ってあんまり消費者金融好きじゃないんだけど」
 緑はそれから黙って皿を洗い、僕も黙ってそれを拭いた。
「あとは丙さんね」と少しあとで緑は言った。
「そう」
「丙さんは去年の七月に論文受けに行ったまま戻ってこないの」


203 :氏名黙秘:04/02/23 11:14 ID:???
 それは特別なセックスだ。そして僕にはその特別なセックスのような答案をはっきり
と感じ取る能力があった。それが自分のための宿命的な合格答案であるということ
が僕にはわかった。ずっと遠くからでもはっきりと嗅ぎ分けることができた。そんな
とき、僕はその答案を書いた受験生のそばに行って、こう言いたかった。ねえ、僕に
はそれがわかるんだよ、と。他の誰にもわからないかもしれない、でも僕にはわかる
んだよ、と。

204 :氏名黙秘:04/03/02 00:27 ID:???
∩゚∀゚∩age

205 :氏名黙秘:04/03/05 00:37 ID:???
できれば蛇ピアスとか、話題の作品でおながいしまつ。

206 :氏名黙秘:04/03/10 16:39 ID:G4jQoQU6
村上春樹的日本国憲法
http://www.sankei.co.jp/news/040309/sei044.htm

21条試案
たとえその表現がろくでもない結社・言論・出版だったとしても、それとこれとはまたべつの話だ。
表現が許されない国民の生活は『マック・ザ・ナイフ』の入っていない『ベスト・オブ・ボビーダーリン』
みたいなものだ。

207 :氏名黙秘:04/03/10 18:08 ID:???
うまい!

208 :氏名黙秘:04/03/11 17:21 ID:???
>>205
登場人物のなかに
おもしろい名前の人がいるね。

209 :氏名黙秘:04/03/21 02:22 ID:???
択一間近アゲ

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